冷めてしまった時(微妙に*)
じりじりじっと目覚ましの音でぼんやりと現実に引き返される。
カーテンの隙間から、日差しが指していて、朝が来たのだと知らせている。
長い夢を見ていたみたいだ。
昔の夢……だった。
もう、とっくに忘れたはずなのに。どうして今更見てしまったのか。
部屋の中は行為後の独特の臭いが漂っている。
「んっ、あ……」
起き上がろうとすると、まだ後ろに入っていたことに気づく。
そう言えば、昨日のこいつはしつこくて、途中で気絶してしまったけ。
「はー、朝から、最悪。」
「何が最悪だって?気持ちよかっただろ。あんなに可愛くあいでた癖にさ。」
「……起きていたのか。めんどくさい。」
この寝起きホルモンむんむんのやつは、東條彰。
白髪の髪は何時も無造作に流しているが、今は髪がいい感じに乱れて、何というか……まあ、あれだ。格好いい感じになっている。男として悔しいくらいに。
「だって、和。何時も朝気がついたらいなくなってるだろ。もっと、朝は甘い感じを楽しもうぜ。」
「それが嫌だから、何時も早々にいなくなってるんだ。」
「なんだよそれー。」
和は連れねぇよなーと、彰は楽しそうに笑っている。しかし、内心は僕の冷たい態度に寂しく思っているだろう。
しかし、彰は何も言わない。だから、僕たちの関係は成り立っている。
何となく観賞に浸って、癖に成ってしまった、枕を口のなかに入れて歯でガリガリ噛んでいると、おもむろに、僕の中の彰のものが、大きくなった。
「っお前!!」
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