[携帯モード] [URL送信]
そっと青い



うっすらと焦点の合わない瞳に光が射す。


ここは何処だろう?



手を前へさしのべると、誰かに手を握られた。



「和?……起きたのか。」



優しい声に呼ばれて、ぼおっとその声の主を見る。



彰が此方を見ていた……そして、また前を向いて歩き出す。




え?


……僕を……お姫様、抱っこして!?




「な、なな……っ!!」


「な?」



辺りは、夕暮れで、マジックアワー、一色。薄紫の雲に、オレンジ色の光が当たる様子はとても綺麗だけれど、今はそれどころじゃない。



僕は夕日ではなく、明らかに躊躇で顔を赤く染めていった。



「な、なな、何してんの!?」


「何って……、何が?」



僕が滅茶苦茶に度盛りながら顔を染めて言うと、彰は何を言っているんだと首を傾けられた。


「な、何がじゃない!!降ろせ!!バカ、バカ彰!!」



「はーー?ここまで運んできてやったのに、そりゃないだろう。然も、俺、和より頭いいのに、バカなわけないし。」


バカ彰は、自分で頭がいい奴だと言い張った。


勉強がちょと僕より……出来るからとか、ちょっと……僕より頭がきれるからとかじゃなくて!!

こいつは、性格が可笑しい!!行動もバカじゃないかと思う。



「もういい!!降ろして!彰!!」


僕が必死の血相で彰に向かって言うと、彰は立ち止まって、僕を凝視してきた。


そして、何故か、目を点にした。





[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!