願い事 真実味のない心は、やがて砂となって溶けてしまう。 あぁ、君は、 何処にいるというのだろうか。 あの夕日か あの海か あの天に輝くひとかけらの宝石か いや、 本当は知っているのだ。 君はもう、何処にもいないことを。 砂となって溶けて、 この自然界の中に紛れ込んでしまったことを。 本当は、知っているのだ。 知っているはずなのに、 悲しい。 辛い。 さぁーと、上から下へ、絶望が流れ込んでいる。 止まらない時が止まる。 回らない歯車が回りだす。 唇が震えて、あぁ、と思った時には、 もう涙は、 止まらない。 はちきれそうだ。 ねぇ、神さま。 もう一度だけ、それだけでいいから。 どうか、 あの人に会わせてほしい。 [*前へ][次へ#] |