狐嵐帝記
夢
変な夢だ。
天も地もない、何処までも白い空間に、浮いている。
奥行きの感じられない、しかし手を伸ばしても壁にあたらない、距離感。
その中に、朴都は四肢を伸ばし、横たわっている。
「・・・ここ、どこ・・?」
『皇子よ』
突然、朴都のものではない声が響いた。重々しく、厳めしく、老成した声だ。
声の主は見当たらない。
『皇子。我を求めよ』
「は・・・?」
『聖なる地にて我が名を呼び、我を求めよ。貴様はその力を持つ者』
「ま、待って!お前は、誰だよ?力って何?」
『我は、未だ地におらぬ最後の四神。その召喚の資格を持っているのが。貴様だ』
段々と声が遠退いていく。
四神が何だか知らない朴都には、名前もわからない。
召喚?何を?
『貴様の傍らの、異形』
「え?」
『あれに喰われてはならぬ』
「え、な、誰が異形なの?白欺?嶐伽、な訳無いし・・・」
問いかけに対する返事は、返って来なかった。
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