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私立城聖学園(連載中)
19
僕たちはとりあえず寮に戻ることにした。

僕は、冷蔵庫の中身を思い出してみる。
朝に冷蔵庫を見た感じでは、野菜はあったはずだけど、ひき肉がなかった気がずる。
買い物しないといけないかな。

「買い物してく?」

僕が考え込んでいるのに気がついたのか、ジュンが声をかけてくれた。

「うん。ひき肉がなかったかも」

「なんだかユウキが来てから食生活が安定した気がするよ」

「え?」

「タクだけの時なんて、冷蔵庫に何か入ってるって言ったらジュースとお菓子ぐらいだったし、朝食を抜くことなんてしょっちゅうただったし」

「ジュースとお菓子って、タクらしいね!でも、朝食を抜くのは…」

「だから、ほんとにユウキが来てくれて、俺達の友達になってくれてよかったなって思ってる」

「ジュン?」

「だから、ユウキは俺達の友達なんだから、何かあったら絶対に言ってね。俺もさっき元気がなかったのが気になったし…」

「ジュン…ありがとう」

ジュンの気持ちはとっても嬉しい。
さっきのことで心配をかけてしまったのはすごく申し訳ない。
だけど、あえて理由を聞いてこないのはすごく助かる。

ジュンたちは、僕の家庭のことなんて知らないし、
さっきの先生に親の姿を見てしまったなんて恥ずかしくて言えないよ!

けど、やっぱり頼ってばかりもいられない。
あのことは僕が1人でやらないと意味がないんだ。


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あきゅろす。
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