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私立城聖学園(連載中)
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なんだかんだで中庭に到着。
結局シノの歩調は緩められることなくそのまま手を引っ張られる形でついた。

ちょっとだけ息が乱れている。

中庭はとてもきれいに整えられている。
ジュンの話では、専用の庭師がいるそうだ。

それにしても見事だと思う。

これを維持するのにどれだけ労力がいるのだろうか。

見渡す限り花が咲いている。
今が春なだけあって満開だ。

パンジーやなでしこなど、ポピュラーなものから、名前のよくわからない花まで様々だ。

だが、お互いを主張しあうことなく、とても調和のとれた風景。なんだか落ち着く風景だ。

「ユウちゃん、こっち!」

シノが僕の手を引いて茂みに入っていく。
高さは僕の腰より少し上くらい。

明らかに人が通るようにできていないそれは、行く手を邪魔して歩きにくいことこの上ない。

しかし、シノはそれに構わず、ずんずんと進んでいく。

どのくらい進んだのがわからないけど、
さっきからペースを落とさずに歩いているため、若干息が上がってきた。

「シノ、どこまで行くの…っ」

「あともう少しでつくから!」

そう言われても、もう限界も近い。
後ろからついてきている2人からも荒い息が聞こえてくる。

ふと、足元が軽くなった。
どうやら茂みから抜けたようだ。

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