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私立城聖学園(連載中)
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今まで中庭の存在を忘れていたけど、言われると急に行きたくなる。

外の空気も吸いたいし…

「うん、行こうかな!」

「じゃあ決定!!」

早速部屋を出て中庭に向かう。
シノはなぜか足取りが軽やかだ。

「ユウちゃんに見せたいところがあるんだ!」

そう言って僕の手をぐいぐいと引っ張る。
未だにシノの力強さになれなくて、もつれながらもなんとかついていく。

「お前、もうちょっとゆっくり歩けよ」

「中庭は逃げていかないでしょ?」

「そうだけど、早く見てもらいたいもん!」

無邪気な笑顔で言い放つ。
やっぱりかわいいなぁ…
素直でいい子だし、周りからも好かれている。
なんだかうらやましい。

きっと明るい家庭で育っただろうな…

そんなことを思ってしまうのが嫌で、無理やりその思考をかき消す。
僕だって、別に恵まれていないわけじゃないんだ。
やさしい義父さんにやさしい義母さんそれにやさしい義兄さんもいる。

環境は最高だ。



ただ、それが本当の親兄弟じゃないだけ…




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