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私立城聖学園(連載中)
13
黙って先生に着いていく、静かな寮の中。
さっきから沈黙が続いて居心地が悪い。

「どうして、送ってくれるんですか?」

このままの空気が続くのも嫌だったので、話しかけてみた。
それにしても「どうして」なんてありきたり過ぎるよね。
なんでもっと気の利いたことが言えないんだろう。

「どうしてって、また君が襲われるのは嫌ですからね。それに、もう二度とあんな思いはして欲しくありません」

穏やかな口調で言った先生は、僕を見て微かに微笑んだ。優しい笑顔。
僕まで優しい気持ちになれる笑顔だ。

僕は少し先生との距離を縮めて歩いた。



部屋の前に着く。
まだ先生は僕の隣にいる。

「君が1人で戻ってきたと勘違いされるのは大変でしょう」

なるほど、確かにそうかも。
カードキーを挿してドアを開ける。

「ただいま…」

なんか、部屋の空気暗くない?

「ユウキ!お前…」

僕に気がついたタクが駆け寄ってくる。
その後ろからジュンとシノも付いてきた。

「1人で帰ってきたのか?」

「あ、えっと…」

「僕が送らせてもらいました」

ずっと隣に立っていた先生が口を開く。
3人とも今気がついたみたいで驚いている。

「先生…!?」

「磯崎君を大事にしてください。それでは僕はこれで」

「ありがとうございました!!」

去っていく先生の背中にお礼を言う。

「また明日、学校で」

振り返って微笑んでそう言うと、来た廊下を戻っていった。

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あきゅろす。
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