私立城聖学園(連載中)
12(ジュンside)
時計と携帯を何度もみる。携帯には相変わらず連絡がない。
タクとシノも落ち着かない様子だ。
「遅くねぇか?」
タクが口を開いた。
「だよねぇ…」
シノも心配そうな口調で言う。
確かにちょっと遅いかもしれない。
塩野崎先生がユウキを呼び出した理由はわかっている。
この前のようなことはわりかし珍しいことでもない。
男ばかりの学校だ。
ちょっとでも可愛いヤツはすぐに狙われる。
いつもなら、話題になっても聞き流してしまう。
だけど、今回はそんなことも言ってられない。
自分の大切に思っている人が狙われたのだ。
未遂で終わったか良かったものの、それ以上あったらどうしようかと思った。
「取り調べってこんなに長かったっけ?」
シノの言ったとおりのことを俺も思った。
さっきも言ったが珍しいことでもない。
取り調べなんてものの5分で終わってしまう。
簡単にどんな状況なのかを聞くだけだ。
処分を決めるためとか先生は言っているようだけど、取り調べをしなくても大体の処分は決まっている。
しばらくの間、出席停止で寮謹慎。
退学はまずあり得ないだろう。
なのに今回はやけに長い。
段々と心配になっていく。
何度も連絡を入れようかと思ったが、終わったら連絡するという約束をしているし、あまりしつこいと言われてしまいそうだ。
手に掛けた携帯をテーブルに戻して、手持ち無沙汰になった腕を組んだ。
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