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私立城聖学園(連載中)
10(塩野崎side)
話を聞くと思った通りいつもあるようなケースだった。
だけど、彼にとって初めての経験は根強くトラウマとして植えつけられているようだ。
今日の授業の少しうとうとしていたのを見たので、恐らく恐怖でしっかりと寝られていないのだろう。

それにしても未遂で良かったと思う。
これでほんとに挿れられていたらきっとかなりのダメージになるだろう。
磯崎君にはそんな思いをしてほしくない。

「ありがとうございます。よく頑張りましたね」

私が微笑んでそういうと、かすかに目に涙をためていた磯崎君が笑った。
太陽のような屈託のない笑顔。
男に興味のない私でさえ癒されてしまうこの笑顔を奪われたくない。

磯崎君の家庭環境は聞いている。
それについては磯崎君が言ってこない限り、私から言うことはないが、それを含めて私に頼ってほしいと思う。
できることなら何でもしてあげたい。
自然とそう思わせる。

「何か気になることとかがあったら私に言ってください。些細なことでもいいです、いつでも相談に乗りますから」

生徒にそういう言葉をかけたのは初めてだ。
あまりやさしくしすぎると、自惚れられても困ってしまうから。

でも、磯崎君ならそんなことも無いだろうと思う。

外部生だからかもしれない。
彼の言動には好感が持てるし、こういう子なら好かれても構わないと思ってしまう。

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あきゅろす。
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