[携帯モード] [URL送信]

私立城聖学園(連載中)

席を探すけど、満席のようでなかなか見つからない。

しばらくキョロキョロと見渡していると「あの…」って声をかけられた。

「よろしければ、この席どうぞ!」

上履きの色からして同学年だと思う。5人グループだ。
テーブルをみると、まだ食べかけの料理が置いてある。

「まだ食べてるでしょ?大丈夫だよ!」

「いや…俺達はほんとに大丈夫なので、どうぞ!!」

そこまで言われたら断る方が逆に悪いかなって思った。

「じゃあ、お言葉に甘えて…ありがとう!!」

僕は満面の笑みでお礼を言う。

すると、5人の顔が一瞬にして真っ赤になった。

「あ…いえ、お役に立てて良かったです…それじゃあ!」

5人は前かがみになってそそくさと去っていった。なんだかおなから辺をおさえてた気がするけど大丈夫かな?

5人のことも心配だけどバラバラになって席を探してる3人に見つかったことを言わなきゃ。

そう思って辺りを見渡すけど3人の姿が見えない。
どこに行ったんだろう?段々と不安が押し寄せてくる。


置いて行かれた…また……


過去の記憶が蘇る。



『置いていかないで!!お父さん!お母さん!!お兄ちゃんっ…』

小さい僕が叫んでる。
追いかけているはずなのに追いつかない。そして、3人は闇の中へ消えていく。


「席見つかったんだな!」

突然後ろから声をかけられた。過去の事を考えて、沈んだ思考が浮上する。

振り返ると3人がいた。置いて行かれてなかったことに安心する。

「見つかったよ!よくわかったね!」

「まぁそりゃ、な?」

「うん。いつも気にして見てるから」

ジュンの最後の方の言葉は聞こえなかったけど、とにかくこれでやっとご飯にありつける。

[←*][→#]

4/62ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!