私立城聖学園(連載中)
4
席を探すけど、満席のようでなかなか見つからない。
しばらくキョロキョロと見渡していると「あの…」って声をかけられた。
「よろしければ、この席どうぞ!」
上履きの色からして同学年だと思う。5人グループだ。
テーブルをみると、まだ食べかけの料理が置いてある。
「まだ食べてるでしょ?大丈夫だよ!」
「いや…俺達はほんとに大丈夫なので、どうぞ!!」
そこまで言われたら断る方が逆に悪いかなって思った。
「じゃあ、お言葉に甘えて…ありがとう!!」
僕は満面の笑みでお礼を言う。
すると、5人の顔が一瞬にして真っ赤になった。
「あ…いえ、お役に立てて良かったです…それじゃあ!」
5人は前かがみになってそそくさと去っていった。なんだかおなから辺をおさえてた気がするけど大丈夫かな?
5人のことも心配だけどバラバラになって席を探してる3人に見つかったことを言わなきゃ。
そう思って辺りを見渡すけど3人の姿が見えない。
どこに行ったんだろう?段々と不安が押し寄せてくる。
置いて行かれた…また……
過去の記憶が蘇る。
『置いていかないで!!お父さん!お母さん!!お兄ちゃんっ…』
小さい僕が叫んでる。
追いかけているはずなのに追いつかない。そして、3人は闇の中へ消えていく。
「席見つかったんだな!」
突然後ろから声をかけられた。過去の事を考えて、沈んだ思考が浮上する。
振り返ると3人がいた。置いて行かれてなかったことに安心する。
「見つかったよ!よくわかったね!」
「まぁそりゃ、な?」
「うん。いつも気にして見てるから」
ジュンの最後の方の言葉は聞こえなかったけど、とにかくこれでやっとご飯にありつける。
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