私立城聖学園(連載中)
2
本鈴が鳴ってシノとタクは名残惜しそうに席に戻る。
隣の席のジュンだけがそのままだ。
「ユウキ、耳塞いでた方が良いよ」
隣の席からの忠告。
そういえば思い出した。
昨日は塩野崎先生が入ってきたとき、耳をつんざくような悲鳴が起きたんだっけ…
塩野崎先生、確かに美人だからモテるのも分かる。
でも、だからってあんなに盛大に歓迎しちゃうとは思わないよね。
僕はジュンの言ったとおり耳を塞いだ。
昨日はホントに鼓膜が破れるかと思ったよ…
ジュンが隣で良かったと改めて思う。
あれ?てことは…
「ジュンは塩野崎先生のファンじゃないんだね」
「ん?まぁね」
そうだよね…
ジュンはファンになるんじゃなくてなられるがわだもんね…
「今は、別の子に夢中だから…」
「?」
そういえば、入寮した日にそんなこと言ってた気がする…
ガラガラ
ドアが開いて、塩野崎先生が入ってくる。
毎度のごとく響く歓声。
慣れるまでにまだ時間がかかりそうだな…
そう言えば、ジュンとシノとタクも人気があるはずなのに、塩野崎先生みたいに騒がれないよね。何でなんだろ。
先生が出席を取り始める。
みんな名前を呼ばれただけなのに嬉しそうに返事をしてる。ちょっと引くかも…
ジュンもそれは同じようで、眉間にシワがよってる。綺麗な顔が台無しだよ…
「磯崎くん、ちょっと話がありますので放課後に職員室にきてください。」
先生はそういい残して教室を出ていった。
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