私立城聖学園(連載中)
3
『チリン、チリン』
インターフォンの音が鐘の音だ。
珍しいの域を越えてるだろ。
『……はい』
しばらくして低い落ち着いた声の人がでた。
「あの、この春から城聖学園に入学する事になった磯崎です。」
『…あ―…特待生か。今開けるから』
そう言うとしばらくして小さくかちゃんという音が聞こえた。
次の瞬間ゴゴゴゴと大きな門が……
開くわけもなく、小さな扉から男の人がでてきた。
毛先が跳ねた黒髪に、無精髭、何ともやる気の無い印象のデカい男の人だ。
だが、ちゃんとしたら恐らくは格好いいだろうという顔つきをしている。
僕は男の人をマジマジと観察した。
しばらく黙っていた男の人だが、居心地が悪くなったのか口を開いた。
「…俺の顔に何か付いてるのか?」
その言葉で僕は我に返った。
「あっ…すいません。。。えっと……」
なんて言い訳しよう…
まさか、顔を観察してましたなんて言えないし…
僕があれこれ考えていると、男の人が訝しげに見ていた。
しかし、その顔は直ぐに無表情に戻った。
「…とりあえず、中入れ。」
そう言うと男の人がスタスタと歩き始めた。
僕も慌ててそれについていく。
外観から想像が付いたが、中はその想像以上に凄かった。
「すげーー!!!!」
とりあえず、頭に思い浮かんだ言葉を言ってみた。
と言うより叫んでみた。
だって凄いよここ。
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