私立城聖学園(連載中)
13
「この学校って男子校だろ?」
タクが訊いてくる。
何を今更…
「うん。女子がいない。」
だから、ちょっと……というよりかなりつまらない。
華の女子が居ないなんて、慣れるまでは苦痛かもしれない…
「だからね、それを間違った方向に向ける人がいるんだ。」
シノが少し沈んだ声で言う。
「間違った?」
どういう方向?
「そう。男に対して向けてしまうんだ。」
ジョンは淡々と言う。
男に対して…
それに続けてジュンは
「つまり、この学校はゲイかバイが大半を占めてるんだ。」
「へぇ………」
あまり驚かない僕に3人が驚いているみたいだ。
そりゃそうか。
普通の人が聞いたら普通に驚くよね。
「ユウ、引かないのか?」
「うん。僕の近くにもそういう人がいたし。」
打ち明けられたときには驚いたけど…
誰を好きになるかなんてそれぞれだし、それが男だからって僕は変だとは思わない。
それをみんなに伝えると、3人ともほっとした顔をした。
そう言うことかとおもったけど、なにも言わないことにした。
誰しも触れられたくないことはあるからね。
「本題に戻るけど、ユウキは危険だから、俺たちが守から」
学校の仕組みはわかったけど、そこで何故“守る”に繋がるのかがいまいちわからない。
「僕、別に守られる事なんてないよ?」
「だから、ユウは可愛いからすぐに狙われちまうんだよ!」
「それに、細くて小さくて、そんなんじゃハイエナに狙われてもおかしくないよ」
タクとシノに言われる。
これは、僕も反論して良いよね。
「さっきも思ったけど、男に向かって可愛いっておかしいでしょ!?言われたって嬉しくないし…」
とは言っても義父さんと義母さんには毎日のように言われてたし、たまに会う義兄さんにまで言われていたので、慣れてはいる。
それでもやはり出会ったばかりの友達に言われるのはどうかと思う。
「そもそも、僕は可愛くない!!それに、そんな事言うならシノだって、僕とあまり変わらないだろ」
「ん?ボクは大丈夫!!」
胸を張っていうシノ。
いや、明らか大丈夫じゃないでしょ。
絶対可愛いし、細いし小さい。
シノこそ危険なんじゃないのか?「あぁ、シノは大丈夫。」
タクまで…
僕は心配そうな視線をシノに向ける。
「ホントに大丈夫だから!ユウちゃんは優しいね。」
シノが満面の笑みで言う。
そこまで言うなら大丈夫だろうけど。
そこは納得したけどそれと同時に疑問が浮かぶ。
何でシノは平気なんだ?
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