[携帯モード] [URL送信]

私立城聖学園(連載中)
12
次の瞬間、僕の視界が一気に天井に変わった。

なにが起こったのかわからない。
体にはかすかな重み。
そして、背中には鈍い痛み。
甘いチョコレートのような香り。

体を少し起こしてみると、髪がふわふわしたあの可愛い男の子が体にしがみついていた。

どうやら飛びつかれたようだ。

にしても、僕より身長が小さそうなのに押し倒されてしまったというのに軽くショックを受けた。

彼は軽く僕に鼻をすり合わせている。

「ユウちゃんすごく良い匂いがする!」

いきなりユウちゃんって…
しかも初対面で匂いについて言われるなんて…

「シノ、ユウキが引いてる。自己紹介しないと。」

「あっ、そっか!」

そう言うと、シノと言われた彼は僕の上から退いた。

「ボクは、愛浦 紫乃(アイウラ シノ)同じく1-Sだよ。よろしくね、ユウちゃん!」

「よろしく。えっと…」

「シノで良いよ。」

「じゃあ、シノ。よろしく。」

ジュンもシノもとてもいい人そうでよかった。

順調なスタートが切れたみたい。

「それで、ユウキ本題なんだけど…」

ジュンがいきなり真剣なまなざしで見てきた。

僕も真剣な表情になる。
きっと大切なことを話すに違いない。

空気もピンと張り、シノもタクも真剣な表情だった。

「これからは、俺たちがユウキを守るから。」

ん?守る??
どういうことですか?
ふざけているわけではなさそうだ。
だって皆いたって真剣なんだもん。

でも、僕には意味がさっぱりわからない。
すると、表情を読み取ってくれたのか、ジュンがさらに言葉を続ける。

「…そうか、ユウキは入ったばかりだからわからないんだな。」

そうです。わからないんです。
さっきからいろんな人に変なこと言われてるけど、何が何だかさっぱりなんです。

「さっきから、いろんな人に"気をつけて"って言われるんだけど、それも関係があるの?」

「あるね。大いにあるよ。」

シノが答えてくれた。

「ボクもタイプだし。」

ただし、やはり意味がわからないことをいう。

「わかった。これから説明する。」

やっとみんなの言葉の意味がわかるのか。
ちょっとほっとする。

「引かないで聞いてほしい。」

ジュンはそんな前置きをした。


[←*][→#]

12/50ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!