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私立城聖学園(連載中)

「…これが部屋の鍵な。」

渡されたのは、クレジットカードのようなものだ。

「…ここではカードが部屋の鍵と財布代わりになる。」

カードか…
やっぱりハイテクなんだな。
そういや、前に泊まったホテルもそうだったけか。

僕はカードを受け取ってまじまじと見る。
校章が入ったシンプルなゴールドカードだ。

「それと、部屋は401だから。」

401か…番号的には端になるのかな。
同じ部屋の人、良い人だと良いな。

「…説明はここまでだ。何か質問は。」

「ないです。」

「……それと…一応忠告。お前気をつけた方がいいぞ…」

気をつける?
「何をですか?」
主語がないから解らない。
僕は正直に疑問に思ったことを言っただけなのに、驚いたような顔をされた。

「…まさか…無自覚か?」

だから、何が!!
僕はわからないという風に首を傾げた。

創矢さんはため息をついた。

わからないものはわからなんだからしょうがないじゃん!
説明不足なのが悪いんじゃないのか。

「…お前、それ反則…」

創矢さんがぼそっと何か言った。
でもその声は僕にはよく聞こえなかった。

「とにかく、背後に注意するんだな。」

そう言うと、創矢さんが僕の頭をわしわしとなでる。
というより掻き乱す。
とても雑なやり方。でも、やさしさも感じられた。

「…それと、同室のやつは良いやつだぞ。よかったな。」

ふと笑った。気がした。
なんだ、いい人なんだ。

「…そんじゃぁ早く部屋に行っちまえ。荷物は届いてるから。俺は…寝る。」

そう言うと僕から手を放し、そのままソファーに寝っころがってしまった。

僕はお礼を言って部屋から出ていった。

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あきゅろす。
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