オワリハハジマリ 仮面 この世に真実なんて、無い。 つまりは在るのは中身の無い“虚偽”と、実際にあったと云う“事実”だけらしい。 昔何かで聞いた言葉。 それを信じるならば、その言葉自体が真実ではない─── つまりはその言葉自体が偽りであると云う事になる。 …矛盾してる 幼い頃、子供心にそう思ったのを覚えている。 結局は、この世に真は無いとでも言いたいのだろうか。 …そんな事無いと思うけど 今もその気持ちが無いと言えば嘘になるが─── 今となっては、そう思えていた頃は、きっと幸せだったのだろうと思う。 この世に真実なんて、無い。 きっとこれは、少しずつ知っていくべき事実であり─── またこれも、真実には成り切れない。 少しだけ事実を知った自分には、 “この世に真実なんて、無い” と云う言葉自体が偽りかどうかなんて判らない。 ただ、 “この世に真実なんて、無い” 事じゃなく “この世に真実は、在る” 事。 どちらかと云えば、其方を信じたいと思った。 …だって、 あいつ等に振り回される自分が、 あいつ等と過ごす時間が、 あいつ等へ感じるこの感情が、 確かに持っているモノが、 事実─── つまりは唯あった事で有り、 真実─── つまりは嘘偽りの無いモノだと云えない なんて つまりはあの時のあの自分が、 つまりはあの時のあの時間が、 つまりはあの時のあの感情が、 つまりはそれを持っていた自分が、 もしかしたら偽りかもしれない なんて (そんなの、哀し過ぎるから) [*前へ][次へ#] [戻る] |