ねがわくはきみの
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そんな事を考えながらwatchを見ると、もうそろそろ出ねぇと危ねぇ頃になって居た。
やべぇ、と思うのと同時に、deskに置いていたreportのmaterialがバサリと舞う。
くそ、こんな時に…!
「ッshit…!」
小さく舌打ちをしてから、reportを保存しpersonal computerの電源を落とす。
今日は一限からpracticeだった筈だ。只でさえ早く行かなきゃなんねぇのに。
materialを急いで拾うが、置いた傍からバサバサと舞いやがる!
「〜〜〜ッshit!」
駄目だ、遅刻する。
そう思った俺は、materialを諦め素早くbagを引き寄せて、走り出した。
「Ahー…」
今日もやっと一日が終わった。
五限目のlectureを終え小さく呻いた俺は、ごきりと首を鳴らして溜息をついた。
…最近、溜息ばっかついてる気がするぜ。
「Ha…」
「どーしたよ政宗ェ。お疲れか?」
「るっせぇ、元親」
のろのろとpenやら何やらを仕舞っていると、backからカカッと笑い声がする。
…うるせぇ奴に捕まった。
「獣医学部の奴が何してやがる」
「政宗、飲みに行こうぜ!」
人様の言う事をthroughして、目の前のバカはcontextの可笑しな言葉を投げ付けてきやがった。
人の話ぐらい聞きやがれ!
勿論元就も一緒にな、と唇を吊り上げたバカから視線を外し、そしてバカの隣に佇んで居た元就に言葉を投げた。
「お前の隣のバカはalcoholは二十歳になってから、っての知らねぇのか?」
「フン、馬鹿だと知っておるのならば分かるだろう」
「…馬鹿に付ける薬はねぇ、ってか」
「左様」
噂の隣のバカに向かって元就が鼻を鳴らす。嗚呼、完全に馬鹿にしてる笑いだ、アレは。
噂の張本人と言やぁ、何がおもしれぇのかニヤニヤと笑ってやがる。
つうか、馬鹿にされてる事、文句言わねぇのか。いや、馬鹿にされてる事すら分かってねぇのか。
「お前も大変だな、元就。高校からの付き合いなんだろ?」
「全くだ。思えば高校時代から此奴の馬鹿には付き合わされておる」
「…That's too bad.」
「其の言葉、そっくり其のまま貴様に返そう」
不機嫌そうに眉を顰めた元就に小さく笑えば、元就も同じ様な苦笑を浮かべていた。
隣のバカは、何の話だとほざいている。こいつ駄目だ。バカだ。
改めてこいつはバカだと実感して其のバカに哀れみの視線を向ける。
バカは何だと首を傾げていた。もう救いようがねぇな。
「大体、金なんてねぇだろうが。何処で飲むんだよ」
「そりゃあお前の家、」
「却下だ。何当たり前みたいに言ってやがる」
「良いじゃねぇか、お前の家近いしよ」
そんな理由でalcohol臭くされてたまるか!
視線でそう訴えてみるが、バカに効果はねぇ。そんな事は今までのexperienceで分かる。
「…alcoholは却下だ。juiceまでは許してやるよ」
お手上げだと言う様に両手をひらひらと振れば、まるで最初っから分かっていたみたいに笑われた。
バカのくせに。
「其の苛つくface止めろ」
「悪ィな、これが普通の顔だ」
「そういや、元就。お前、知り合いにinspirationとか強い奴居ねぇか?」
先程の礼にとバカの言葉を綺麗にthroughして、隣に佇む元就に問う。
バカがシカトか!と噛み付いてくるが、それもthroughした。
「おい政宗、無視すん」
「どうした、急に。アパートに霊でも出たのか」
「Ahー…いや、見てはねぇんだが。最近、何か変な事ばっかでな。勝手にglassとかが落ちたり、金属音とか足音とか聞こえたりとか」
「…成る程。そんな事が何度も起きているから、か」
「Yes.…poltergeist…つーのか?一ヶ月も続くと、そろそろ迷惑でな」
ふうと心からの溜息をつき元就を見れば、何故か元就は形の良い眉を潜めていて。
どうしたと頭に疑問符を付けながら問うが、何でもないと言う様にふるりと一度首を横に振られただけだった。
「…そういう事ならば、我が行こう」
「Ha?お前、分かるのか?」
「常人よりは分かるつもりだ。それとも、我では不満か?」
不機嫌に睨み付けてくる元就の言葉を首を振って否定し、席を立つ。
「…何も無いと良いがな」
次いで降ってきた元親の罵声をあしらっていた為か、俺の耳に小さく呟いた元就の言葉が入ってくる事は無かった。
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