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ねがわくはきみの
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結局、juiceやらツマミやらを買ってmy houseに辿り着いたのは、大学を出てから二時間程経過してからだった。

原因はsupermarketでバカが矢張りalcoholが良いとかなんとかほざいた所為だ。

supermarketで散々言い争い、決着がついたのはつい先程の事。



「早く鍵開けろよ政宗!」

「Shut up!近所迷惑だろうが、黙れ!」

「お前の声の方が迷惑だろ!?」

「Ah!?」

「安心しろ、何方も五月蝿い。それより早く開けたらどうだ、政宗」



苛立った俺の頭を元就のcoolな返しが冷やす。

溜息をつき元就に一つ頷きを返せば、バカに取り合うだけお前の損だとの御言葉をいただいた。

其の通りだ。駄目だ、coolになれ、俺。

自身にそう言い聞かせながらkeyを取出しdoorを開けば、バカが真っ先にmy houseに上がり込んで行く。

…アイツは此処を誰のhouseだと思ってるんだ?



「抑えろ」

「…shit」



俺の苛立ちを読んだかの様に囁かれる元就の言葉。

其れに短く声を吐き捨て、ちゃっかりと先にmy houseへと姿を消していた元就に続く。



「Hey…!もうそれ以上進むな、触るな、荒らすな!テメェに言ってんだぞ、元親ァ!」



荒々しく叫ぶ俺。だが予想通りと言うか案の定と言うか、俺の声を無視して目の前のバカは次々に俺の私物に手を出していた。

俺の目の前で元親の手により着々と散らかっていく様を半ば諦めながら見つめていれば、漸く飽きたのか元親が其の手を止める。



「全くよ…誰が片付けると思ってんだ、なぁ?」

「勿論政宗だよな」

「Fack!」



短い文句と共に其の辺にあったcushionを投げ付ければ、短い悲鳴と同時に元親は倒れた。

ざまぁみやがれ!



「五月蝿いぞ、元親」

「Ah?元就何処行ってきたんだ」



ぎゃあだか何だかよく分からない元親の悲鳴に、何故か俺よりも後にlivingに現れた元就が冷たい言葉を吐く。

然し元就は俺の言葉に小さく首を振ると、ちらりと部屋を一瞥し、酷い散らかり様だなと苦笑した。



「まるで嵐の後だ」

「半分は其処のバカの所為だ」

「…もう半分は?」

「ghostが起こした…poltergeist、だな」



自分で言ってて馬鹿じゃねぇのか、と思った。

俺は別にghostを否定する訳じゃない。
確かにこの世界に理屈だけじゃ説明出来ねぇ事はあるし、ghostだって居て不思議はねぇと思う。

だが実際自分の身近でghostなんて突拍子も無い物に触れてしまうと、つい馬鹿みたいだと思ってしまうのだ。

俺はghostを否定はしねぇが肯定もしねぇ。



「…政宗」

「Ah?どうした、元就」

「………いや、何でもない、気にするな。元親、何時迄其処で伸びている。貴様が散らかしたのだから貴様が片付けろ」



意味ありげに元就が俺を呼ぶが、元就は只目を細めただけだった。

気になって再度元就に問い掛け様とした時には、元就はそんな思わせ振りな態度を隠し、ふるりと首を振った後何事も無かった様に倒れた元親を蹴飛ばした。

それにより復活した元親による喧騒に飲まれ、元就への疑問は直ぐに俺の中から消えていったのだった。





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