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しょーと
For you!(小十+佐/玖樹様へ/意味不明←)



突然だけど、俺様は昨日、3年間通っていた高校を卒業した。

勉強は好きじゃなかったけど、友人にも教師にもそれなりに恵まれて、勿論青春もしまくっていて、そりゃあ高校に在籍していた頃は早く卒業したいとか笑っていたけれど、いざ卒業してみると何だか微妙な気分だ。

…っと、それは置いといて。

突然だけど、今日は俺様の誕生日だ。

神様ってのが居るんならどんだけ俺様に嫌がらせしたいのか。

この辺に誕生日があると、大体の場合は期末試験が返って来たり、受験が合ったり、合格発表があったり、ニ次試験があったり、通知を渡されたり…。

とにかく、3月に誕生日がある人は結構ついてない。

俺様もそれは例外じゃなく、中学と高2までは散々だった。

…高3は推薦で大学に行けたから良かったんだけどね。

…って言いたい事はそれじゃなくて!

つまり昨日で俺様は高校を卒業してもう高校生じゃなくて、それは結構めでたいことで、今日誕生日だって事は俺様にとって今日は結構大切な日な訳で。





「…はぁぁぁぁぁ…。」





なのに。

…なのに、何で今俺様は1人淋しく部屋に居る訳!?





「…そりゃ、忙しいのは分かってるけどさ…!」





……………突然だけど!

さっきも言った様に、青春もしまくっていた俺様には、実は恋人が居たりする。

その人は何を隠そう俺様と同性の男で、更に言ってしまえば高校で教師をしてる。

若くして教頭を務めてたり、授業も分かりやすいし、ちょっと怖いけど優しくて格好良くて大人っぽくて頼りになって…。

…違う!決して惚気てる訳じゃない!

…つまり!俺様が言いたいのは、こうだ。





「───…忙しいのは分かる。けど、せめてメールの1つ位くれてもいいじゃないの…、せんせーのばかっ…!」





───…そう。

何を隠そう俺様の恋人からは、昨日から今日にかけて何故かなんっっっにも連絡が無い。

…そりゃあ、卒業式の当日もその次の日も平日で、確かに仕事はあるんだろうけど。

昨日と今日、勿論会ってもないし(そりゃあ卒業式当日は会ったけど、けどそれは恋人としてじゃなくホントに教師と生徒としてだからカウントしない)、電話とかメールとかも一つも無い。

クリスマスとかお正月とか、それこそ付き合って1周年記念日とか(これは多分俺様が言ってたからだと思うけど)、そういう時はちゃんとメールとか電話とかしてくれた。

けど、今回はなんにもナシ。

…平日っつったって半日で生徒は帰るし、先生が顧問をやってる部活(菜園部ね!)も無いのに。

普通に考えたら、メールとか電話の1つも出来る位の余裕は有る筈なのに。





「…何でなんにも連絡くれないんだろう、なんて。俺様が女々しすぎる、のかな…。」





若干(いやもの凄くだけど)落ち込みながらちらと携帯を見てみると、時刻は午後7時。

気付けばもう1日が終わってしまう。





「…今日も何も連絡来ないのかな…。」





…仕方ないんだよね、だって先生は社会人だし、きっと大人同士の付き合いとかもあるんだろうし。





「…ッ…、…駄目だ、晩御飯の買い物、行って来よう…。」





…けど、せめてメールの1通でも欲しかったな。

なんて思った瞬間にじんわりと滲んできた涙を深呼吸して何とか抑えつけ、財布やら携帯やらをポケットに突っ込んだ。





「…?」





そんな時、不意にチャイムが鳴った。

何となくはぁ、と溜息をつきながら玄関に向かう。





「…っ、アレ…?せん、せー…?」



「…おう。」





…扉を開けると、ドラマとか漫画とかみたいにそこには何故か先生が居た。

久し振り(いや一応昨日会ったっちゃあ会ったけど)の先生の声に、さっきまで必死に抑えていた涙が再来しそうになる。





「…っ、何で…此処に、居るの?」



「いや…。昨日も今日も、全然連絡も祝いもしてやれなかったから、せめて飯でも連れて行ってやろうかと思ったんだが…。」



「あ…。覚えてて、くれたんだ…。」



「あ?当たり前だろうが。今から飯、大丈夫か?」



「…あ、うん!ごめん、すぐ支度するから!」





何で今迄連絡をくれなかったんだろうとか、忘れてた訳じゃなかったんだとか、これから先生と食事!?とか、哀しいやら嬉しいやら緊張するやらでパニックになりながら、素早くコートを羽織り鍵をかけ、そして直ぐに先に車に行っていた先生の元へ向かった。



































「あ〜美味しかった!ご馳走様でしたっ!ごめんねせんせー奢って貰っちゃって。」



「お前の祝いなのにお前に払わす訳にはいかないだろうが。」





1時間後。

先生の奢りで腹を一杯にした俺様は、先生から許可が出たという事もあり、先生の部屋に上がり込んでいた。

大きなソファーで隣り合わせで座りながら、いつの間にか先生が淹れてくれたコーヒーを飲む。





「いや、だってあの店結構高そうだったからさ。俺様ちょっと大丈夫なのかなって思った。」



「お前…。公務員の給料がそんなに少ないと思ってんのか?」





くすくすと二人で笑い合い、そこでふと気になっていた事を聞いてみる。





「ね、先生。」



「何だ?」



「…忙しかったの?」





コーヒーを置いて、先生の方に顔を向ける。

問いただすというより、本当に不思議に思っただけの様に、出来るだけ無邪気に問いかけた。

すると、何故か先生は困った様に顔を顰め、そしてゆっくりと息を吐き出しながら言った。





「…いや、仕事は別に忙しくなかった。ただ…、」



「ただ…?」



「……………佐助。まだ言って無かったな。」





話を逸らした先生に抗議の声をあげそうになるが、先生が笑いもせず余りにも真剣な顔でそう言ったので何とかそれを飲み込んだ。





「…佐助。手、出せ。」



「…手?こう?」



「掌を上にして、両手でな。」



「…はい。」





…何なんだろう。

不審に思いながらも、逆らわずに掌を上にして両手を先生の方に差し出す。

























「…佐助。」





「ん?」





「高校卒業と18歳の誕生日、おめでとう。
こっちが卒業祝い、こっちが誕生日祝い、だ。」




















そう言って、先生は俺様の掌の上に2つの物を置いた。















「こ、れ…。」





「…見ての通り、だ。」




















掌の上に感じる、2つの物。

重さにしてみれば、そんなに重くもない2つの物。

1つは、何回か見覚えのある形の、鍵。

もう1つは、小さな正方形の、高そうな箱。















「…佐助。要らねぇなら、返してきても良い。」





「…ッ!先生の、ばか…!」




















…返す筈なんか無い。

だって、コレは…。

…どうしよう、泣きそう。




















「俺様で、良いの…?」





「…お前じゃねぇと、駄目なんだよ、佐助。」





「っ…、世の中には、俺様より、綺麗な女の人も可愛い女の人も、居るよ…ッ?」





「佐助。俺は、お前が良いんだ。





























─────…愛してる。





一生、俺の隣に居てくれねぇか?」





















見覚えのある鍵は、先生の部屋の鍵。

小さな正方形の高そうな箱は、結婚指輪の入れ物。




















「………せんせー…。」





「…何だ?」





「…今更、離れろって言われても離れないからっ…!後悔しても、知らないから…!」





「…望むところじゃねぇか。あぁ、後。」








































泣き出しそうで、けれどそれを悟られたくなくて、俯いていた俺様の顎を先生が掴む。





唇に感じるのは、言う迄もなく、先生の体温。



















































「俺の事は先生、じゃなくて小十郎、だ。」








































「っ、小十郎…。
















愛してる…!」

























For you!






















(で、結局何で連絡してくれなかったの!?)

(…指輪を選ぶのに時間がかかったんだよ。それと…まぁ、アレだ…、)

(…何?)

(…いや、何でもねぇ。)

(えー!)















(…お前に断られるか不安だから連絡取りにくかった、何て言える訳ねぇな…。)














*後書き*

よっしゃまずごめん玖樹^q^

コレはアレです、誕生日に玖樹がスキだと言っていた小十佐を書こうとしたけど撃沈したんです^q^

意 味 分 か ら ん \(^O^)/

取り敢えず謝っとこ、ごめん玖樹ww

玖樹様に限りフリー←

2010.3.7 白黒

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