しょーと そう言って笑った(幸+佐/死ネタ…?) 「さすけー。さーすけー。さすけさすけさすけさすけー。」 佐助、佐助、と。 今迄幾度となく呼んだ名を、何度も何度も繰り返す。 「はいはい、何ですかっと!」 何時もの様に現れる、何度も見た彼の姿。 「…………佐助。」 幾度も幾度も繰り返した名を、再度。 「だから何さ旦那!俺様だって暇じゃ無いんだからね!?」 そう、怒った様に呆れた様に、何時もと変わらずに、はぁと彼は溜息をつく。 「…………佐助…。」 もう一度。 「…何?だん、」 「もう良い。 …才蔵、一人に、してくれ…。」 「…!幸村、様…。」 「…もう良い。某は…、大丈夫、だ。 気を…、遣わせてしまってすまなかった、才蔵…。皆にも、大丈夫だと伝えてくれ。」 「…………御意。」 そう言って、一瞬の間に別人になった才蔵の気配が完全に離れてから、ゆっくりと息を吐き出した。 「佐助…。」 「あーはいはい。大丈夫だって。なんたって俺様は猿飛佐助なんだから。」 佐助を最後に見たのは、五日前。 何時もよりも念入りに武器を確認していた佐助に不安を覚えていたのは、その更に二日前。 佐助にも、お館様にも。 どんな任務なのか教えて貰えずに、その不安は余計に募っていた。 「…うむ…。佐助…、気を付けて、くれぐれも気を付けて、行って来い。早めに帰って来るのだぞ!」 そうだ、佐助は強い。 そう思いながらも拭い去れなかった不安を、純粋に、何時もの言葉に込める。 何時から、だっただろうか。 佐助が任務へ行く時に必ず、"気を付けて"と"行って来い"、そして"帰って来い"と言い始めたのは。 "気を付けて" 佐助は、無茶はするな、一人で突っ込むなと俺に言っていたけれど、実は、佐助の方が無茶をするから。 忍だから、と限界まで己の身体を気にしないで、偶(タマ)にお館様よりも俺よりも真っ直ぐに突っ込んで行くから。 "行って来い" "帰って来い" こう言えば、きっと佐助は帰って来てくれると思っていたから。 いや、きっとじゃなくて、必ず。 必ず、あの何時も隣に居てくれた青年なら、佐助なら。 帰って来てくれるから。 「…心配性だね、旦那は。」 声に含まれた不安を感じ取った佐助が、声を出して笑った。 何時もの様に。 「大丈夫だって。今迄だって直ぐ帰って来たでしょー?今回だって直ぐ帰って来るって。なんたって俺様強いし?」 大丈夫大丈夫!と繰り返す佐助に頷き、もう行かなきゃと呟く佐助をじっとを見送る。 その視線に気付いたらしい佐助が、動きだそうとしていた身体を止め、苦笑した。 「…行って来ます、旦那。」 「…あぁ。」 「佐助……………。」 ───あれから、五日。 彼は、まだ帰って来ていない。 何時もは、長い任務でも三日で帰って来たのに。 今日、俺は、出掛けた城下町である噂を聞いた。 "あの魔王が、討ち取られたらしい" "そして、魔王を討ち取ったのは、" "紅い髪の、忍らしい" "けれど、" 「─────…佐助…。」 "魔王を討ち取った忍は、" "魔王相手で弱った忍は、" "其の場で、魔王の部下に殺されたらしい" 「───…佐助、佐助…ッ!」 信じられなかった。 彼が、死ぬなんて。 彼が、もう帰って来ないなんて。 けれど、判った。 才蔵が、佐助の振りをして俺の前に現れた刹那に。 「佐助…、佐助…っ…!」 信じたくない。 信じない。 けれど、佐助は帰って来ない。 もう、二度と帰って来れない。 「佐助ッ…、帰って、来いと…、直ぐ帰ると…!大丈夫、と、行って来ますと…っ!そう、言ったのに、何故帰って来ないのだ…ッ…!」 もう彼の笑顔を見る事も、喋る事も、笑い合う事も、何も出来ない。 まだ佐助には言いたい事も、一緒にやりたい事も、まだまだ有ったのに。 「佐、助ぇ…っ!」 「行って来ます、旦那。」 そう言って笑った忍はもう居なくて。 *あとがき* 一時間クオリティ半端ない/(^O^)\← 3の公式HPで余りにも佐助が来ないので、まさかと思いつつ。 つか3佐助出なかったら俺は泣きます^q^← 泣き喚いて泣き喚いて泣き喚いて佐助死んだ原因を3で幸でボコります^^← ここまで読んでくださってありがとうございます! 乱文雑文すいませんでしたorz 2010.1.16 白黒 [*前へ][次へ#] [戻る] |