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天神
狂王の元へ


「レイザード、悪党らしい無惨な最後だったな」

 魔力の効果を失ったセルラトスは剣を鞘に納め、マーダ達に向いあった。

「マーダ、ソグレス、そして、レイチェル、私は死にながらにこの手でこの男の息の根を止める事が出来た。 感謝する」

「セルラトス、お前意識があるのか」

「あぁ、アンデッドだが、一応生き返ってはいる様だ。 それも時間の問題だが」

 自らの朽ち果てようとしている身体を見て苦笑いを浮かべるセルラトス。

「マーダ、勇者の末裔であるお前に頼みがある。 父を、いや、王を殺してくれ。 レイザードは王を誑かし、王の身体を魔王の器に使おうとしていた。 いや、俺が死んでいる間にもう既に魔王化してしまったかもしれないが」

「分かっているセルラトス。 そのために俺が来たんだ。 休んでくれ」

「勇者よ、感謝する」

 剣神と呼ばれたセルラトスは最敬礼のまま、風に運ばれ、立ち去った。

「ソグレス、レイチェル行くぞ。 狂王の元へ」

「あぁ」

「えぇ、これが最後の戦いになるのですね」

 狂王の元へ続く螺旋階段を昇るマーダ達。これから、何が待受けているのか。何が起こるのか。グレイニーズ大陸の未来はこの者達へ託された。



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