おつかい勇者♪
其の二
再度、老人はクルッと後ろを向き、青い空を眺めながら話出した。
「おほん、で、村人達が人殺しの子供も人殺しだと、騒ぎ始めてな。 あの子にそれは酷い仕打ちをし始めたのじゃ。 それからだったろうか、あの子が人を殺してはいけないのか考え始めたのは……」
以外と重い展開にリオスは息を詰まらせた。
「しかも、今その子はモンスターにその強力な魔力を買われてそんな人間達に復習してやろうと惑わされているのじゃ」
「そんな!」
事の重大さに気付き始めたリオス。思わず、大きな声をあげる。
「どれちょっと、あの子の家を見て来ようかの〜」
リオスとラミルもその老人の後へ着いて行く事にした。
その子の家へ着き、老人は当たり前の様に虚ろな瞳の少年の家へと入って行く。
「で、あんたは何者なの? 何で他の村人と同じ様にその子に仕打ちしなかったの?」
リオスのその言葉を聞いてラミルも考え込む。そうだ。何故、この老人は!?
「良い所に気がついたのぅ。 それはな……」
嫌な予感を感じてラミルは息を飲んだ。
「ワシがそのモンスターだからじゃぁ!」
そう老人が叫ぶと、その老体は切り裂かれ、家中に黒い血飛沫が舞う。そして、その老体の中から二つの濁った黒い目をギラつかせて黒光りの体をした漆黒の翼を持つモンスターが現れた。
「やっと、出られたぜ」
ラミルの嫌な予感が当たった。やはり、モンスターだった。
それにしてもリオスって惚け惚けしてるけど、洞察力があるのかも。経験が無いのに私よりも先に違和感に気がついていた。それに……。
リオスは黒い血飛沫が自身にも浴びせられたにも関わらず、初めて会うであろうモンスターに憶する事無く、睨み続けていた。
そうそれにリオスには勇気もある!
ラミルはリオスのそんな姿を見て何か大きな物を感じていた。
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