おつかい勇者♪
正直、重いです。
妖精「ラミル」は「最悪を予感した勇者が戦う最中、海へ投げた希望」だと言う。
その話しを聞き、リオスは当然驚いた。「勇者が殺された」、その真実は木霊となってリオスの胸に繰り返された。しかし、勇者は妖精「ラミル」と繋がっているため、勇者が死ねば、ラミルも死ぬという。すなわち、ラミルが生きているとは勇者がまだ生きているという証拠だった。また、ラミルは両刃の光り輝く片手剣、自身であり、魔王にとどめをさせる自分を勇者に届けて欲しい事をリオスに頼んだ。
どこに行ったのかも分からない勇者を探す旅。自分が両刃の光り輝く片手剣を持っていると判れば、モンスターだって黙ってはいないだろう。そして、確実に命を懸けなければいけない戦いになる事は簡単に予想される。
「大変な旅になる事は分かっているわ。 でも、最初に瓶を開いてしまったあなたしか出来ないの」
リオスを見つめ、ラミルは懇願する。
重い。あまりに重い思い。リオスは逃げたくなった。
「その羽、キレイ!」
「そうお?っていうか〜、妖精コンテスト羽部門で優勝だったみたいなぁ〜ってちがぁう!!」
リオスの話しを逸らす作戦は失敗した。
「あのね〜、人が真剣に頼んでいるのに。そりゃ、命に関わる事だけどさぁ」
「はぁ〜」と、溜め息をつくラミルをよそにリオスは海をじっと眺めていた。振り返り一言。
「うん、いいよ。行こ!」
軽く答えるリオスの瞳はラミルを真剣に優しく見つめていた。
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