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おつかい勇者♪
よし、私の活躍所ね



「リオス、大丈夫」

 ラミルは心配そうにリオスを見つめた。

「あ、うん。 大丈夫」

 リオスは顔色も良く、ラミルが心配する様な事態には陥っていなかった。

 ラミルはリオスの表情を見てホッと、胸を撫で下ろす。

「良かった。 失神したかと思ったわよ」

「何か、戦いが終わったのかと思ったら急に力が抜けちゃって」

「初めての戦闘だったし、緊張してたのね」

 リオスはラミルと同じ様に緊張感が解け脱力して倒れただけの様だ。

「身体、痛い」

「お疲れ様。 良く頑張ったわよ。 問題はこの子ね」

 ラミルの視線の先には魔物に操られていた虚ろな瞳の少年が精気無く立っていた。青い光が少年の身体を包む。

「あの光、何?」

「あれは、神の加護よ。 あの少年が気絶した時にも魔物やその他の害する物から守るために自動で発生される神様の守護壁。 あれが出ている内はこっちも手が出せないわ」

「神の加護……」

「そう。 誰も近付く事は出来ない。 間違って触れたり何かしたら火傷何かじゃ済まないわ。 まして、それが魔物だったら触れた瞬間、書き消されるでしょうね。 だから、さっきの魔物は本当に凄いわよ。 加護を浸蝕する何て出来る事じゃないんだから」

「そうなんだ」

 ラミルからそう説明されると、少年を包む青い光が急に神々しくリオスには見えた。

 この子は神様に選ばれた子なんだ。リオスは尊敬と劣等感が混じり合った様な不思議な物を心の中に感じた。

「……このまま、この子が目覚めるまで待ってるの?」

「フフーン♪」

 意味ありげに鼻息を立てたラミルは口元をニヤリと緩ませる。

「そこで私達、神様に近い存在である精霊や妖精の出番よ」



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