[携帯モード] [URL送信]

おつかい勇者♪
其の三



 モンスターの姿が灰となって掻き消えたと共に青色の闇払いの炎も自然とその場から消滅していた。

「た、倒した……」

 戦闘の緊張感が解けたラミルは脱力して羽根の動きを緩め、ヘナヘナッと、地面へと降りて臥した。

「勝った……の?」

 実感が湧いて来ないのか、当のリオスは体当たりし終わったままの格好でボ〜と立ちすくむ。

「そう。 勝ったのよ、リオス。 初めての戦闘の割りに良く頑張ったわ」

「そ……っか。 勝った……んだ」

 呆然としたままリオスはそう言うと、意識を手放すかの様にその場へバタリと倒れた。

「ちょ、リオス!?」

 初めての戦闘の上、武器らしい武器が何一つとして無い、まさに死と隣り合わせの過酷な状況。緊張感が解けた瞬間に今まで堪えていた恐怖感が爆発して失神する等、大人でも良くある話し。それがましてや子供となると最悪の場合、そのまま心臓発作で亡くなってしまう何て状況も想定出来る。

 ラミルは休めていた羽根を慌てて動かし、リオスの元へと駆け付けた。



[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!