ぷれ☆★いす
其の四
所変わって大介は学校へと到着していた。
グラウンドで体育の授業をしていたのだろうか。体操着の男女が走っている姿で動きを止めている。その現物を見て初めて分かる世界の異様さ。
やはり、時は止められているんだ。トキシラズの、美耶の手によって。そして、いずれは全ての命を……。
自分一人だけ死ぬのは恐いから。しかし、そんな勝手は許されない。
何としてでも美耶を止めなければ。
大介は気持ちを引締め、校内へと入って行った。
玄関の靴だなから大介は自分の靴を取り出そうとしたが、靴は時がとまっており、取り出されなかった。
確か、時の流れを自分の流れに引き込むんだっけ。
大介は靴に触り、時を探した。
「これか、時の感覚か」
大介は何かを感じて止まった時間を自分の中へと引き込んだ。
手応えはあった。
靴は時が動きだしたのを知らせる様に小さく振動した。
「よし、うまくいった」
大介は靴を上履きに履き替え、異様に静かな廊下を歩いて行った。
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