ぷれ☆★いす
告白☆★滅亡
大介の後ろ姿を見送った良子と烈子はトキシラズを切るため、その場へ向かおうと自転車へ乗った。が、乗ったのは烈子だけだった。
「大介のお母さん、行きます。 乗って下さい」
「え、あ〜」
良子は言葉を濁して自転車に乗ろうとしない。
「大介のお母さん、早く」
何を迷っているのだろう。あれだけ、仕切ってトキシラズを切ろうと言っていた良子が乗ろうとしない。烈子には訳が分からなかった。
「早く」
「え、いや〜」
若草色のエプロンをした良子がモジモジ体を動かす。
「どうかしました?」
「あのね、れっちゃん、実は……」
良子は烈子の耳元でその訳を話した。
「え?! そうだったんですか? 大丈夫。 あたしを信じて乗って下さい」
その訳を聞いた烈子は思わず、顔をにやけさせる。
「この歳でそういうのも何か恥ずかしいのよ。 れっちゃん、大ちゃんにも秘密よ」
良子は後ろの座席に座ると烈子の小さな体をしっかりと掴んだ。
烈子が力を集中し始めると光が集まり始め、やがて二人の乗る自転車は地面を離れる。
「行きますよ。 自転車に乗れない良子さん♪」
「いやー、言っちゃ駄目って言ったのにぃー」
自転車は良子の涙声と共にトキシラズの生える彼方へと飛び立った。
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