ぷれ☆★いす
其の三
「あ、そういえば大ちゃん気が付いていた。 トキシラズの力が一旦解かれているみたい」
「え」
「今日が終って明日になっている」
まさか、これも闇の何かの狙いなのだろうか。良子に聞くもやはり、検討が付かない様だ。
大介にさらなる不安がつのる。
「あ、母さんに聞きたい事が……」
複雑に絡むたくさんの疑問を少しずつ、紐解く様に大介は母の説明をかみ締めて聞いていった。
■□■□■□■□■
大介は部屋に戻り、制服へと着替えた。着替えた時にガサガサと音が鳴ったせいか、烈子は目を覚ます。
「おはよう」
身体を上にグーと伸ばして烈子は笑顔で挨拶した。寝起きは良い様だ。
「どうだ。 記憶の具合は。 昨日の夜の事は覚えているか」
「覚えてるけど」
何の事やらという顔をして、烈子は目を点にする。
「いや、どうやら時間がまた進み始めたらしい。 で、昨日無くなった記憶はどうやらトキシラズに魔力として吸収されているらしい」
良子に説明された事を大介は烈子に話した。
「だからか。 で、何で時間が進んだんだ。 誰かがトキシラズの動きを止めたのか」
パジャマの乱れを直さずに烈子はベッドから起き上がる。ちらちらと見える胸元に目のやり場を困らせながら大介は頷く。
「かもしれないし。 もしかしたら」
「何、何かあるの」
口ごもらせる大介に早く続きを言えと、促す烈子。
「いや、悪い。 その前にその着崩れを何とかしてくれ。 目のやり場に困る」
「え」
しかめた大介の顔から烈子は視線を胸元へと移す。
パジャマのボタンが上から数か所外れて大介の言う通り、胸元がはだけて少女の色香を醸し出していた。
顔を林檎の様に真っ赤にして烈子は大介に背を向けた。
はだける胸元を直して烈子は改めて大介に向き合う。
「で、いったい何なんだ」
「いや、一人、闇の長らしい奴に覚えがあってな。 引きこもりで絶対に学校に行かない奴なんだが、昨日、突然、明日学校に行くって言い出してな」
自分の予想を口にする大介。しかし、それだけで烈子は納得の行く顔をしなかった。
「うーん。 それだけで闇の長って決めるのは決め手にかけるな」
両手を腰に当てて、胸を張る烈子。
確かに烈子の言う通りそれだけでは決め手に欠けるが、大介は何となくその線を消せないでいた。
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