ぷれ☆★いす
能力☆★覚醒!?
ここはとある日本のとある町のとある住宅街のとある一角にあるとある家。
窓に掛かった青色のカーテンが朝の柔らかな日差しを一層和らげ、部屋を淡い青色で包む。
部屋にはタンスに本棚、机にベッド、どこの家にでもあるだろういわゆる、生活必需品が規律正しく置かれていた。
要はこの部屋はきちっと、整理された特別特徴の無いシンプルな部屋だった。
そんなシンプルな部屋に寝ぼけ眼の男が一人、ベッドで半覚醒していた。
寝ぼけ眼でその男は何かを探すように頭の隅を手探りし始める。そしてその手に時計が触れ、男はおもむろにガバリとその時計を鷲掴みした。
「朝の8時か……、8時!?うわ!やばい!!」
男はベッドから飛び起き、タンスから高校の制服を取り出して一気に着替えた。
「やばいよやばいよ!これやばいよ〜」
そう叫びながら、階段を駆け下りていく。決して誰の真似をしているわけでも無い。
本人はいたって本気で大慌て。
この男の名は鈴木大介。この町の大和高校に通う高校2年生。身長168cm、髪は癖毛、ワックス等の整髪剤を使って癖毛のもじゃ毛を常日頃立てている。8月24日生まれのB型、マイペースな夏生まれの男。澄んだ大きな目が特徴だ。
「はい、パンだけでも食べていきなさい」
大和高校の登校時間は朝の8時45分まで。ここからだと自転車で45分は掛かる。
今すぐに家を出て、猛ダッシュで自転車を走らせれば何とか間に合う時間帯。
そんな時間帯にも関わらず、大介は寝癖がついてさらにもじゃもじゃしたスーパーもじゃ毛の処置に当たっていた。
無論、母、良子のそんな子供思いの言葉は無視である。
「このもじゃ毛何とかしてくれよ〜」
中途半端に伸びたもじゃ毛が大介の心を苛つかせる。
そこに母、良子が登場。
片手には食パンを持っている。
「大ちゃん、そのままでも大丈夫よ」
「母さん……」
そんな母の暖かい言葉を掛けられ、大介はどうにも出来ないもじゃ毛の処置を止めた。
「誰も見てないから♪」
と、前言撤回。大介は身も蓋も無い言葉を掛けられ手を止めた。
「まあ、こんなの自己満足かもしれないけどさ……」
「冗談冗談。本当、大丈夫だって。今のはお母さんの言葉を無視したお返しよ」
きつい、冗談を言う母親だ、と大介は心で呟いた。
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