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ぷれ☆★いす
其の二
 パジャマ姿の少女は白髪の翁を物言いたげな目でジト〜っと、見つめた。

 そんな視線に気付き、黒い着物を着た少女の動きを一瞬たりとも見逃すまいとして、睨み続けていた翁だがちらりと、そちらを見る事にした。

「いや、すまぬ……。本当に今回は相手も急だったしな。こんな時間に呼び出したのはあい悪かったと思っておる」

 そんな謝罪をする翁を見るもパジャマ姿の少女は機嫌を直さず、首をくいっと横にやり、許しません事を態度で示した。


 そんな少女の態度をみて、ため息をついた翁は視線を黒い着物を着た少女へと戻した。が、少女の姿はそこに無かった。

「っ!抜かったわ!烈子後ろじゃ!」

「馬鹿!もう見逃さないでよ!」

 それが自分にも責任が有る事を知ってか知らずか投げ言って、パジャマ少女烈子は右拳を硬く握る。後ろと言われただけの支持だったが、烈子はどこへ向かうべきかすぐに理解し、翁の指示しているであろう方角へ全速力で向かった。

 烈子の向かう先にはあの黒い着物を着た少女と黒と灰色の牛が居た。

「このやろう!」

 言葉と同時に烈子の右拳が眩い光を放ち始める。


「フッ、何のために私がいると思っているのだ」

 突然、烈子の目の前に黒と灰色の牛が現れ、その動きを封じる。まだ、その場まではだいぶ距離が有ると言うのに。牛は瞬間移動した様だ。

 しかし、烈子は突如現れた牛に驚きもせず、それ所か全速力のまま、牛を飛び越え高くジャンプした。

「馬鹿牛!俺だって何のためにいると思っているんだ」

 烈子の体をそのまま、ふわりと翁の隣にいた光の翼を持つ白馬が持ち上げ宙へと浮き上がる。烈子は予想通りの展開にさして、驚く様子も無い。

「間に合え!」

 牛を飛び越え高く空へと昇った烈子は迷うこと無く白馬から飛び降り、黒い着物を着た少女目掛けてダイブする。

 しかし、黒い着物を着た少女はそんな烈子を気にも留めず、黒のポシェットから一つの種を取り出した。

 種には淡くて黒い光が溢れる。

 少女はその種を見つめるとニコッと優しく微笑む。

 そして、少女はその種を公園の砂場に蒔いた。

「く、あたしは無視かぁ!」

 烈子の渾身の右ストレートが少女を捕らえた。

 「おりゃぁぁぁぁ!!」

 烈子の右拳の光は音と共に町全体を照らし出した。








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