壱 赤い色はこの戦国の世で積もり積もった怨念の色。 無念や憎しみ、この世の理不尽さを呪った色。 多くの人々の怨念を受けて生まれた子供は、赤色を背負い生まれる。 その子供はあらゆる災厄を引き寄せ、血に塗れた道を歩む。 人々は赤い子供を恐れた。 人々は赤い子供を恨んだ。 人々は赤い子供を蔑んだ。 赤は災厄の色。 それを生まれながらにして持っている者は数多の災厄の根源になるだろう。 そうなる前にその根源は、抹殺するべきだ。 赤は災厄。 人は赤を恐れ、赤を消そうと再び怨念を生む。 [*前へ][次へ#] [戻る] |