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世界の平和は甘い物を食べる事から始まるのだ
先輩×後輩=?
















神楽ちゃんの黒酢昆布を買いに行くのにおつかい中…だったんだけど。
なんてったって江戸2日目。

わたくし華、道に迷いました。


『…どうしようかな』


周りは天人と小さい子だけ。
帰り道さえもわからない。
だんだん日も暮れてきた
知らない土地での独りぼっち…怖い…寂しい
なんかね、うん


『っ…ぐすっ…』


泣ける。

どうしようもなく自動販売機の前でうずくまって泣いていると、右からパトカーがゆっくり近付いて運転席から人が降りてきた


「おーい。どうしたぁ?家出か?」
『…』
「嬢ちゃん、家どこなんだ?」
『…わからない』
「わかんねぇの!?え、何、犬のお巡りさん状態!?迷子の子猫ちゃん!?……まぁ、じゃあ名前は?」
『わかっ………わからない』
「いや、わかるって言いかけたよね!?完全にお巡りさんネタのったよね!?!?…ほら、ちゃんと言ってみな」
『…華』
「わかるじゃねぇかよ。ちゃんと家帰れるか?」

お巡りさんがポンと私の頭に手を乗せたから見てみると、その人は黒髪で、沖田くんと同じ服を着ていた
なんでだか聞こうとしたら、遠くからまたパトカーの音が聞こえた


「ひ〜じ〜か〜たァァァ!!!」


そこにはバズーカを担いで窓から顔を出した…沖田くんがいた


『「総悟!/沖田くん!」』
「え、なんでお前総悟を「何マヨ臭ぇ手で華に触ってんですかィ!!」


そう叫ぶと同時にバズーカが発射された


「伏せろ!」
『ははははいっ!!』ドーン!

黒髪の人が頭を押さえてくれたおかげで間一髪のところで爆発には巻き込まれなかった。
少しするとパトカーがとまって助手席から沖田くん、運転席からゴツい人が降りてきた


「華、無事ですかィ」
『うーん、無事じゃないかも』
「!…土方殺す」


…いや、あなたです。なんて言えなかった


「キミが噂に聞く華ちゃんか!」
「お前が華だったのか!」
『あ、えと、はい』



なんか有名人気分だ。
なれない雰囲気に緊張していると沖田くんが2人を紹介してくれた


「華、こっちの方が真選組局長の近藤勲さんでさァ」
『はじめまして!』
「よろしく〜。総悟の話通り天使みたいな子だな!ちなみに俺は…お妙さんが好きなんだ。協力してくれると有り難い」
『はい!私が出来る事なら。』


新八のお姉さんのお妙さんか!
あの人キレイだったもんなあ…
でも好きって言いながら頬を染める近藤さんが一瞬ゴリラに見えたのは、気のせいという事にしておこう


「で、コレが土方十四郎」
「コレってなんだよコレって。あー、俺は真選組で副長やってる。マヨネーズ命だ」
『よろしくお願いします、マヨ方さん』
「マヨ方!?マヨ方なの!?土方でよくね!?!?」
『土方』
「呼び捨てェェ!?!?」
『それより。』


私はずっと疑問に思っていたことを聞くことにした


『………真選組って、なんですか』


ソレを聞くと一気に3人が沈黙した


「…華、知らないで今まで話してたんですかィ」
『うん?とりあえず、なんとなく強い人達かなあって』
「ワハハ!!なかなかユーモアのある子じゃないか!!よし、そんなかわいい華ちゃんにコレをあげよう!」
『ありがとうございま…す?』


貰ったそれは、江戸の地図のついた本だった。
本を開いてみると、真選組の事とか人とか、江戸にいる人の事とかがたくさん書いてあった
…お妙さんについてのページが10枚もあるのは、やっぱり近藤さんが作ったからなのか。
まあなにわともあれ有り難かった


『嬉しい!役にたちそうです!!あ…よかったらコレみんなで食べて下さい』
「「「金平糖?」」」
『私の大好物なんです!』
「…マヨと合うのか?」
「俺は嫌いじゃないでさァ」
「じゃあ華ちゃん!住所そこに書いてあるからいつでも遊びにおいでね。それじゃあ」
『はいっ!また!』


真選組の3人と別れ、私は思った

またやってしまった…

もうすっかり日も暮れて、辺りは真っ暗になってしまった
とりあえず貰った地図を見ようと思い、私は街頭があるところまで歩いた





*****




「…いくらなんでも遅くねぇか?」
「…ですよね。だって出て行ったの10時過ぎでしょ?もう8時ですよ…」
「…」
「神楽」
「……」
「神楽!」
「………」
「…よく考えてみろ。華はお前ににらまれても挑発されても、嫌な顔一つせずニコニコしてた。違うか?」
「…」
「今もこの秋先の寒い中お前のためにあるはずもない黒酢昆布探してんだ…お前のために」

「銀ちゃん………ワタシ探して来るね!!」




「あ〜あ、なんで女ってのはこうもめんどくさいかねぇ。」
「ですねぇ」





*****





しばらく歩くと、やっと街頭を見つけた
ちょうど真下にベンチがあったから座って見る事にした


『…えーと?』


???
さっぱりわからない。
ここがどこなのかも。
…てかあれ、そもそも北ってどっちだっけ

そう思っていると、右からドスッドスッと速く重たい足音が近付いてきた


『?』

「金髪どこにいるネー!!!」
『!?神楽ちゃん!?』
「金髪ー!金八ー!」

『金八!?!?いや、一文字しか違わないけどさ、私武田鉄矢じゃないからね!?!?』


私が突っ込むと、神楽ちゃんは定春から降りて私の隣に座った


『もしかして探しにきてくれたの!?………でもごめんね、黒酢昆布、買えなかった』
「お前馬鹿アルか!?!?こんな遅くまで探して…馬鹿みたいにヘラヘラして。」
『なにが?』
「黒酢昆布なんて本当はどこにも売ってないネ!!」
『…』
「ワタシ…新しく万事屋に女メンバーで、自分の居場所がなくなるんじゃないかって…心配だったヨ。その気持ちで、お前に最低なことしたアル」
『そうだったんだ…』
「ごめん、ヨ」


キャサリンと口喧嘩しても、新八に暴力振るっても謝らない神楽ちゃんが謝った…
それはすごい大きい事なんじゃないかって思った


『……私馬鹿だけど、神楽ちゃんがすごい優しい子って事、わかるよ』
「?」
『だって、私の事探しにきてくれたし、ちゃんと謝ってくれた』
「それだけなのになん『神楽ちゃんは、優しい!』
「………そういうなんでも言う馬鹿正直なとこが馬鹿アルネ」
『あー!!馬鹿って2回も言った!!』
「ばかばかば〜か!」


そういうと神楽ちゃんは立ち上がって手を差し出した

「一緒に万事屋に帰るネ、華。」

『!………うんっ!!』




すごい馬鹿だけど、華となら仲間としてやっていけそうな気がしたネ。
これから…よろしくアル、相棒。













(腹減った)(あ!金平糖食べる?)(…なんか貧乏くさいヨ)(酢昆布に言われたくないーっ!)




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あきゅろす。
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