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世界の平和は甘い物を食べる事から始まるのだ
機能は全部使いこなしたい
















『ん…』


目を開けてもそこは真っ暗だった。
どうやらここは万事屋ではないらしい
なんだか埃っぽかったから、周りを探って明るいところに出ようとした。
だけど、まったくわからない。
どうしようかと思っているとどこからか声が聞こえてきた


「女には継がせない!」
「お父さ」
「黙れ!!…もういい、出て行け。目障りだ」


…ああ、思いだした。
お母さんと私が追い出された時だ。
私が…私が女に産まれたから。


「お前は、戻りたいか?」


今度はその男の声が私に問い掛けてきた


『まったく全然1ミリも。』
「今なら後継者にしてやってもいいんだがな」
『!…嘘。』
「嘘じゃない。その方が母親も喜ぶんじゃないか?」
『…るさいうるさい!!私は、私は』


万事屋に、江戸に、みんなのいるところに帰りたい。
みんなの事を考えると胸が苦しくなった
ここに来たばかりの私に優しくしてくれて、仲間って言ってくれて。


「果たして本当にそう思っているのか?」
『…え?』
「今まで万事屋はずっと3人でやってきたんだ。そこにお前なんかが入れるわけがないだろう」


…そうか。そうかもね。
ずーっと3人でやってきたのに、私が入れるわけなかったんだ
だってみんなパジャマ着たりしてるのに私は同じ服着回しだし、みんな家族みたいなのに私はお客さんみたいな感じだし。
きっと私は邪魔だったから、だからこんな真っ暗な所にいるんだ


「さあ戻ってこい、こっちの世界へ」


体が浮いて、後ろに引っ張られる様な感覚。
本当に帰るんだな…これでいいんだ。今まで通り。
でもやっぱり…みんなとずっと居たかった
(銀ちゃん…)
私はすがる様に右手を伸ばした





******





「たくっ、どこにいんだよ!」


歌舞伎町内を走って探したが華はどこにもいなかった。


「!?」


その時不意に誰かに呼ばれた気がして振り返った。
するとそこにはターミナルがあった


「!…そこか!」


ターミナルの中に入るとなにやらざわついていた。
人々の視線の方向を見ると、ガラスの向こうの出発する宇宙船の上に半透明の華がいた。
近付くと、華はふらっと後ろへ倒れた

それを見た俺は木刀を握って走りガラスに突っ込んだ。


「どけエェェェェェェ!!!」


飛び散るガラス、噴き出す血。
人々が悲鳴をあげる中俺の手はへまっすぐ伸びていた
華へ向かって。


「華ーーーっ!」


がっしりと2つの手は重なりあった
そして2人は宇宙船の上に倒れこんだ


「いててて…」
『ぎ、んちゃん?なんで?』
「家出娘を連れ帰りに来ただけだ」
『…私帰ってもいいんですか?今通り3人のがよかったんじゃ?』
「まっまーな、初めは俺も今までとなんも変わんないだけじゃねーのーとか思ったよ?でもな、お前の顔が浮かんできてよ…」
『!…でも、私だけいつも仲間外れですもん。パジャマもないし一緒に住んでるのによそ者みたいだし』
「なんでパジャマにそんなこだわんのー!?…わーったわーった!ほらパジャマ!」
『え…私に?』
「そうだよ!買ってたの!それから、よそ者とかなんとか言ってるけどそれは意識の違い。お前が家族って思えば、家族なんだよ。」
『いいんで』
「その敬語!それもいらないでしょうが。つか、もう…俺の中じゃとっくに万事屋は4人なんだよ!…んんん、ほら帰るぞ!」


そう言って歩く銀ちゃんの後ろ姿は、今まで出会った誰よりもかっこよく見えた

私は駆け寄って空いている銀ちゃんの左腕を掴んだ。


「お?」
ふふふ〜…銀ちゃん大好き!!


大好きな銀ちゃんと大好きな万事屋に帰る
これ以上の幸せはない。
そう思いながら家路を歩いて行った





*****





『「ただいまーっ!」』
「今まで散々心配させといて何してんだアンタら…」
『ごめんね…新ちゃんっ♪』
「おぉ!なんか華が成長してるアル!」
「…嫌な成長の仕方したなおい…」
「精神的に成長したからね、このコ」
『ふふふっ』


私は思った。
あいあむ、万事屋!
あいらぶ、万事屋!
あいほーぷねばーすてい万事屋!


「無理矢理英語にするなァ!!」










(いずひーだめがね?)(いえす!いずひーアル)(のーのーのー。Dameganeだよ〜発音しっかりね〜)(英語ネタしつけえよ!)



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