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Novel〜REBORN!〜
calling miss you『ザンスク←ビオ?』
冷たい冷たい所

そこではかつて酷い戦闘が行われた

そしてあちらこちらにその跡が多く残っていた

無惨にえぐりとられた柱

人の出入りをまったく感じさせない、異様な空気があった


そんな中『異質』のモノが二つ。


頑丈にできた黒い鉄製の覆いとそれからのびる色鮮やかに輝く氷柱


それに寄り添うように座る黒い服で身を纏った白銀


「ザンザス………」


静かに儚げに

無音の空間に波紋を作るように響く声

「今日なぁ……ベルがまた暴れやがってよぉ……始末書書かされるハメになったぜぇ」

「………それからなぁ、マーモンが1ユーロ落としたんだと。それで念写してまで探してたぜぇ……まったくなぁ」


その声が相手に届く事はない

それでも白銀は語り続ける
知っている。わかっている。けれどその悲しい叫びの声は毎晩途切れる事はなかった。


「カッ………コツッ……」

静かな空間にヒビが入るように1人、人が入って来た


「いつまでそんな事を続ける気だい?スクアーロ」

「……オ……オッタビオ……」

白銀、スクアーロの声が途端に震えた

「ずっとそうしていればいつか目覚めるとでも思っているのか?」

スクアーロはうつ向いたまま、寄り添っていたそれにより近付いた

まるで不安にかられた子供が母に抱きつくように…

「バカバカしい……もうそれが溶ける事はない。君ならもう理解ができているだろう?」

「っ…………」

何か言おうとしたがそれを声にする前にスクアーロはハッっとなりやめた

「なぁ分かっているのだろう?お前の主は最早アイツではないのだよ」

そう言い放つと共にオッタビオはスクアーロの白い首を掴み、しめあげる


「あっ……ぐぅ……」


ギリリと軋む音を立てても、なおその手を緩める事は無かった

「返事をしろ、お前の主は誰だ?」

「がッあ………あっ」

今まできつくしめていた手を緩める

「……ぅ…がっゲホッ……」

「さぁ言え誰だ?」

「………」

スクアーロは黙ったまま口を開こうとしなかった

「まだ体に教えこまれなければ分からないのか?」

ビクッ……

スクアーロの体に一瞬緊張が走った。

が、けしてその口を開こうとはしなかった

「ザンザスにもそうやって教えられていたのか?そのやり方でしか分からないのか?」

オッタビオの顔に残虐性剥き出しの笑みが溢れ始める

「…何度やられても同じだぁ……ッ俺がつかえるのは───がっあ!!」

オッタビオは蹴られた事によって床に倒れたスクアーロを冷たい目で見下ろした

「貴様俺と自分の立場を考えろ」



その晩も悲痛の叫びは絶える事はなかった。




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あきゅろす。
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