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Novel〜REBORN!〜
誓い─ver.Xanxus─『ザンスク』
シンと静まりかえった部屋に俺はひとりでいた

…………

うるさいヤツが消えた事で前よりも一層静かになった
─────。

ポツリと呟く

一つ、一つの文字に優しく、何かをそそぎむように、なぞるように

確かめるように───


今日の出来事が思い出される

雨戦。

そう称された戦い

相手は中学のガキだった、がアイツは負けやがった

誇りだのほざいて死にやがった

だから───

笑ってやった

銀が沈み、紅が浮かぶ光景
気味が悪くそうでもしないと何かに飲み込まれてしまいそうだった

いつの時だか、アイツは誓いなどをたてていた。

ぐだらねぇ……

何故そんな事をする必要がある?

わからない、モヤモヤする………


何か飲もう、そう思い目を開けると………


見えた先は暗く、下に目をやると水が溜っていた

幻覚?

いや、そんなわけはない


フ───……

!!

目の前にゆらり、ゆらりと銀髪がゆれる

………?

まさか

そんな筈はない。

第一自分はなぜこんな所にいるんだ?

自身の部屋にいたはずだ

ピチャン───

水の滴る音がする

無限に広がる、現実のように思えない空間。

そしてそこに現れた、居ないはずのアイツ

現実みのないこの空間で、ひどく美しいそれを見ているとザンザスは混乱をした

そうしているうちにアイツらしきヤツは鈍く光るものに惹き付けられるように歩き始めていた


まて!

ダメだ。そっちへ行ってはいけない!

止めないとッ!!



気付いた時にはもう喉から叫び声が出ていた


────スクアーロ!!!


しかし虚しくもその声は届かないのか、振り返りもしないで進んでいってしまう


お願いだ……届いてくれ……



スクアーロ!!!スクアーロ!!


愛しい人の名を何回も呼んだ。

それこそ喉が枯れるんじゃないかというくらい

そして──────


ふっ………

アイツは振り向いた



ぽたっ

確かに見えた………

遠くてぼんやりとしてよく見えなかったが

確かに俺には泣いているように見えた。


8年前、俺とアイツは始めて会った


一目見ただけでアイツは俺に付いてくると決め

誓いをたてやがった

クーデターを起こし、俺が氷づけにされていた8年間も、その思いを絶たせる事なく

アイツは俺を待っていた───

その先に希望なんかないと分かっていただろうに………

あともう少し

あともう少しで終止符を打てるという所で俺たちは───

俺は──────



パシッ───


俺の手は白く、細いアイツの腕を掴んでいた



アイツの口がかすかに動く


 『────』


それは儚げであったが、しっかりとした思いでいっぱいのものだった




「スクアーロ…………行くな………これ以上俺を……お前だけは────」




『───わかってる。』



その言葉に満たされた。

今まであった胸穴が空いていたような感覚がなくなり

温かい気持ちになった。



孤独を癒してくれる君

いつだって側にいてくれた

あぁ何と言うのかが分からない


今オレに出来る最大の表現で伝えよう




ありがとう




fin.


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