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Novel〜REBORN!〜
誓い─ver.Squalo─『ザンスク』
何処だぁ?此所………

目を開けるとそこは暗く、先の見えない不思議な所だった

ピチャン────

足元には膝まで水が溜り、波紋が広がった

何で俺はこんな所にいるんだぁ?

不意に頭へ直接流れるように何かが浮かぶ

ザァァア───

滴る水、自分へと近付く猛獣、まだ幼い面影のある少年の悲しみの表情。

そして────の笑い声。
パッっと現れてはフッと何処かへ消えてしまう

紅の瞳を最期にそれは波のようにひいていった

…………そうかぁ俺は負けたんだ……なら此所はあの世かぁ?

雨戦の夜、俺は鮫に襲われた。

戦った相手は俺を助けようとしたが、俺はそれを拒んだ。

………笑ってたの……誰だ?

誓い……何かを誓った気がする………でも守れなかった……

そもそも俺は何のために戦ったんだ?

自身の髪に目をやると永く、長く伸びた銀髪が目に入る

誰かの為にしていた気がする 

今となってはそれが何を意味していたのかさえわかららない

フッと、それまで暗かった空間に鈍い光が宿った

ん?

まるでこっちへ来いと呼ぶように光は明るくなったり暗くなったりをする

この先が地獄ってやつかぁ?

今まで自分は数え切れない程の人を殺してきた

例えその相手が無実であっても、友人や親戚であったとしても

行くか………

ピチャピチャと音を立て、ゆっくりと歩き始めた

『一歩』歩くごとに今まで自分が生きてきた中で、大切にしていた何かが失われていくような気がした

そして光へとあと一歩の所
「ッ…………」

………!!?

誰かに呼ばれた気がした

「…ス………ッ」

誰だ?

「スクッ……ロ」

頭の中を隅から隅まで確かめても、もう何も覚えていなかった


「スクアーロ!!!」


ポタッ───────

??

何で涙が流れるんだ?

「ロ…………スクアーロ」
一度溢れ出した涙は止まる事なく溢れ続ける

それが何故なのかはもうわからない

「………スクアーロ……………」

意味がわからないまま謎の声に耳を澄ませる

「………スクアーロ………愛してる…………」


パチンッ──────


心の中で何かがはじける。

 はっきりとした形はないソレ

でも確かに感じる






今までの『何か』が急速に思い浮かび。

はっきりとしなかった『何か』が輪郭をとりもどす。


8年前、初めて彼を見たとき

一目見て付いていくと決め
誓いをたてた

クーデターを起こし、氷づけにされてもその思いを絶たせる事なく

彼を待った───

例えその先に希望がなくとも………

あともう少し

あともう少しで終止符を打てるという所で俺たちは───

俺は──────



パシッ───

不意にスクアーロの白く、細い手を誰かが掴んだ。
それはとても温かい手だった
 

 『ザンザス───』


未完成だったパズルの空白に

最後のピースがはまった


「スクアーロ…………行くな………これ以上………を───」


───わかってる。

俺はまだ死ねない

さっきまで歩いていた道を引き返す

迷いはない

向かうは己の愛する人の元

ザンザス……

今行くから─────。



もう何処にも行かない。

俺は誓ったんだ、一生ついていくと

お前のそばにいると




fin.


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あきゅろす。
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