Novel〜REBORN!〜
今宵、月が見えずとも『ザンスク前提』
綺麗だなぁ、月……
……あ゛ぁ゛?
満月もいいけどよぉ
俺はこの三日月が好きなんだぁ
……くだらねぇ
……──
ザンザス
今日の月は見えないぜぇ
あの日のようにガラスみたいに鋭くて、ぽっかり穴が空いたみたいな光が見くて来たというのに
またあの夜みたいにテラスでワインでも飲みてぇなぁ
あんたと
知ってるか?もう俺は酒飲んでいいんだぜ?
だからどうどうと酒を自分たちで買いにも行ける
あぁ、わかんねぇよな
氷の中だもんなぁ
ザアァァア
揺れる。
夜風は強く、雲の流れも速い
先程まで遠くにあった雲が流れて来て、よけいに月が隠れる
ヒュオオ
その風はとても冷たく感じ、髪が流れるように舞う
長い髪が風で揺れる。
その長さが時の永さを表している事を強く感じた
髪、いい加減切りてぇんだがな……
手入れにも手間がかかり大変なのだが、ただ単に伸ばすのもどうかと思い綺麗にしてはいる
いつになったらあんたは戻ってこれるようになるんだぁ
独り飲んでいたワインをぐいっと一口飲むと、まだ半分ほど残っていたそれをテラスから下へと溢す
雲の切れまから光が射しこむことはなく
無様にもただ、水溜まりを広げていく様を
俺は黙って見つめていた
──今宵、月はどこを照らすの?厚い雲に覆われた空
出来る事ならあの雲を全部剥がしてやりたい
──君がここにいないとしても
俺はいつまでだって待ってるぞぉ
──今宵、月が見えずとも
※一部某有名なアーティスト様の曲から歌詞を使ってます。
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