Novel〜APH〜 ディア マイ……『米英?+仏』 「イギリスが重体だそうた」 え? 「さすがにこのままでは危うい」 は?なんだって? 「……国が消滅するかも知れない」 何を言ってるんだコイツは 『ディア マイ……』 「……フランス?」 アメリカはイギリスに来ていた イギリスが居ると案内された所へ行ってみると彼の腐れ縁ともなっているフランスが座っていた 「アメリカか…」 いつものちゃらけた雰囲気はなく、深刻な顔をしていた 「やぁ、どうしたんだい?そんな暗い顔をして……カビが生えるぞ」 重たい空気に耐えきれず、いつもよりも明るい調子で話した 「…おい、アメリカ。お前がいくら空気読めなくたって今の状況くらいわかるだろ」 フランスの目は真剣だった もしかしたら戦場にいる時、いやそれ以上のものだったかもしれない その目は今まで俺が逃げようとしていた事実をつきつけていた 「……イギリスが死にかけなんだろ?」 こみあげてくる感情を押し殺してひとつひとつ言葉をつみぎだす 「…まさかイギリスが無くなるわけないじゃないかっ…………あのイギリスが……」 口から出る言葉に否定の心が叫んでいた 「まったく…彼もバカだよな……よりによって……」 心は限界を越えた 「よりによって……俺をかばってたなんてッ!!!」 そう、何故イギリスがこれほど深刻な状況になったのかというと、俺をかばっていたのだ 結局俺はイギリスに迷惑をかけていたんだ 面倒をみてもらってた癖に 俺は彼の元から離れ、独立し 独立してもなお、彼に裏で助けて貰っていた 「まったく!……余計なお世話だよ……俺は……──」 あの雨の日に 「俺は……──」 大好きで仕方なかった君に 「アメリカ?」 「彼にあんなに酷い事をしたのにッ!!」 銃口を向けたというのに 感じていた 彼がどんなに俺を愛して大切にしてくれていたか。 それに利点なんて無かっただろうに、無償の愛を…… 暖かさも君は教えてくれた。 知っていた 幼い頃から兄達に忌み嫌われて、彼は孤独の中を生きていた事を。 そんな中、俺を頼りにしていた事も…… なのに俺は君を裏切った。 「どうして君は……そんなに優しいんだい?……」 頬に温かい液体が伝った ポタ、ポタとそれが床に垂れて、初めて泣いていたという事実に気付く 「なぁ…アメリカ、イギリスにあってこい」 フランスは泣き出したアメリカの肩にそっと手を置く 「…今出来る限りの支援を送った所だ」 アメリカはそれを聞いた瞬間、きつく閉じていた目を大きく開けた 「大丈夫。アイツがいなくなるわけないだろ!行ってこいっ」 ありがとう。と言いたかった しかし口がそれを刻む、それよりもイギリスへ向かう体の方が早く動いた 「……イギリスッッ!!」 「……あ……めり……か?」 ベッドに横たわる姿は病人そのものだった かつて、今までにも何度かイギリスが弱ってしまった姿を見た事はあったがそれ以上だった 「大丈夫だ……今………フランスが……─」 「分かってるよ、話すのも辛いだろ?」 小さく頷くとイギリスはまた、赤く潤んだ瞳を閉じた やがてスー、スーと静かに寝息をたてた 「……イギリス、今までごめん……それから……ありがとう」 眠っているイギリスの手をアメリカはぎゅっと握って 彼が起きるまで離さなかった end [前へ☆][次へ☆] |