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Novel〜APH〜 
†…《COLOR》…†〜V〜




浮かんでくる

あの日々が

どうしてあの時気付けなかったんだろ






†…《COLOR》…†〜V〜




「い〜ぎ〜り〜すぅ〜」

「あとちょっとだ」

……………

「ねぇ〜暇だよ〜」

「あとちょっ……──」

「さっきからそう言って2時間たってるんだぞ!」

今日はやっと貰った休日。
だから、わざわざじめじめしたイギリスの家に来てあげたというのに

さっきからイギリスは、今日中にやらなきゃいけないんだとか言って、仕事をしている。

「いつになったら終わるんだぃ?」

「あとちょっと」

まったく嫌気が差してくる(15分たった頃からもう、そうだったけど)

なんでやっとある2人で過ごせる時間なのに、仕事を待たなきゃいけないんだ

しかも内容は見せてはくれない

「ぅ〜」

俺は面白くないのでイギリスの机の引き出しを出したり、入れたりして悪戯をしてやった

「あっ!ちょ、コラ!やめろって」

イギリスが書類から目を離し、こちらに気が向いた

「お前なぁ……ガキじゃないんだから地味な嫌がらせはやめろよ」

しかし、それは一瞬の事でまたすぐにイギリスは書類へと没頭してしまった

(……つまんないんだぞ)

まったくもって面白くない
出来ることなら書類に今すぐ火をつけてやりたい所だ
(さすがに俺だってそれくらいやらないけどさ)


もぞっ


「………ッ?あっアメリカ!?……お前なにやって」
俺はかまわず、イギリスの座っている机の下へと潜り込む

「ちょっ?………そんな所で何するつもりだよッ」

「いいから君は仕事をしなよ」

ちょっと声のトーンを落としただけなのにイギリスは戸惑い始めた


コンコン…──


「アメリカッ……人が来たからッ」

「いいじゃないか入ってもらいなよ」

イギリスは躊躇していたけれど、ノックした男が「カークランド郷?」と不振に思い始めたので返事をした
「……例の件ですが、こちらが資料となります……」
「あぁ、わかった」

「ところでジョーンズ様は?」

イギリスがかすかにびくっとなったのがわかった

「あぁ、今ちょっと外の空気を吸いに行ってるよ」

さすが生きてきた年数が違うからか、イギリスはいつもと変わらない調子で嘘をついた

なんだかそれが気にいらなくかった


ジジ……


「そうでしたか、紅茶をお持ちしましょうか?」

俺はイギリスの履いているズボンのジッパーを下げた
「……いやッ……大丈夫だ」

流石に焦ったようだがあくまで悟られないようにイギリスは言った

「そうですか」

それだけで戻ってしまうのかと思ったが

「あっ……あとですね……」

男の用件はまだあった

俺はイギリスのそれをだして、口でくわえる

「………ぁっ……」

いきなりで驚いたのか、吐息を洩らした

「どうしました?」

「いや……ここはこれで良かったのか?」

「はい、そうです」

やんわりとつつみこみ、優しく触っていく

「………ッ」

「それと明日の件で変更があったのですが………」

徐徐にそれが反応してたち始めた

「あぁ……わかったッ」

「では失礼いたしました」
男が部屋から出ていき、足音が聞こえなくなると、イギリスは酷く怒鳴った


「…〜んのアメリカッ!!てめぇ何やってんだよ!」
「らって……つまんなゃかっ」

「あッ……くわえたまんまで……喋んなッ」

大体俺をほったらかしにした君だって悪いんだぞ

「………構ってくれないのが悪いんだ」

俺は気付かないうちぼそっと呟いていた

しかもそれは最悪な事にイギリスにちゃんと聞こえていたようだ

イギリスは「んなっ!……」と言うと、顔を真っ赤に染めた

ああ、もう

こうなったらやけくそだッ

「大体なんだい君は久しぶりに来たっていうのに」
「こっちには目もくれず仕事して」

「少しは俺の気持ちも考えたらどうだい?」

言いたい事は言い切った

少しは反省したかな?と俺が顔を上げるとそこには今にも泣き出しそうなイギリスがいた


「お、おれだってぇ………」


「お前こそ俺の気持ちも知らないでッ!」


は?と聞き返したくなった
それは俺のセリフだ

「もういい!!」

バアァン!!

力一杯閉じられた扉はギィギィと軋んでいる

「あんなの……逆ギレっていうんじゃないのかい?」
酷いにも程がある

被害者はこっちだ

まったくもって意味がわからない

カサッと机の上にあった書類が落ちる




──あれ?なんて書いてあったんだっけ?

大切な事だったはず……


あれ?


───


消えていく


心の欠片


はらはらと



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あきゅろす。
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