日商便利屋兼帰宅部
依頼人の姉・・・
放課後
やる事も無いし、さっさと行くか。遅刻すると後が怖いし。
日向高校
香澄「あっ、蓮次君。早かったじゃない。」
香澄が校門の所にいたので、一緒にみんなを待つことにした。
香澄「ねぇ、蓮次君。今回の依頼人って誰なの?今朝は聞き損なったけど、たしか依頼書には書いてなかったよね?」
『あぁ、依頼人に口止めされてたんスよ。』
香澄「まあ、特に問題ないけど、なんで?」
香澄さんになら言っても大丈夫かな?
『実はその依頼人、珊瑚さんの弟の森川大輝なんスよ。』
サッ―――。
香澄さんの顔から、一気に笑顔が消え失せた。
香澄「れっ蓮次君、それって私以外に話した?」
『いいや、香澄さんが最初ですけど、大丈夫?顔色悪いですよ?』
香澄さんがぐっと顔を寄せてきた。不覚にも(?)ドキッとした。
香澄「いい?蓮次君。依頼人の事は絶対に珊瑚さんには内緒よ。いいわね?」
は、恥ずかしいな。顔が赤くなってきたのが自分でも分かるよ。
『な、なんでですか?大輝も珊瑚さんにはバラすなって念を押してたんスけど、なんか問題でもあるんですか?』
香澄「もっ問題も何も、珊瑚さんにバレたら・・・。」
何?何なの?
渚「あっ、おったおった。香澄〜!」
渚さんが来た。無論、同学年の綾さん・珊瑚さんと共に。
香澄「とっ、とりあえず綾さんには私から話しておくから。蓮次君は絶対に他言しちゃダメよ!」
『え?あぁ、はい、分かりました。』
なんつー慌て方だよ。超早口だったし、声裏がえってたし・・・。
香澄さんがさっきの事を綾さんに伝えにいったので、俺は渚さん・珊瑚さんと待つ事になった。
もちろん、ソッコーでこう言われました。
渚「なあ、蓮次。香澄と二人でな〜に話してたん?」
ただ来るのが早かっただけなんだけど・・・って言っても聞き入れてくれそうにないな、この二人。
渚さんはニヤニヤと、珊瑚さんは睨むようにこっちを見ている。
すぐさま答えられなかったせいか、妙な誤解を招いてしまった。
渚「なんですぐに答えれんの?まさか二人は・・・。」
『いや、そんなんじゃないっスよ。ってなんで珊瑚さんそんなに怒ってるんですか!?』
珊瑚「ん?そんなことないよ。別に怒ってなんか・・・。」
珊瑚さんはぷいっとそっぽを向いた。
いや、後ろ向きでも分かるぐらいに殺気みたいなのを感じるんですけど。
珊瑚「別に怒ってなんか・・」
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