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日商便利屋兼帰宅部
プロローグ(前)
今春から俺、松本蓮次は、日向(ひなた)商業高校に通う事になった。

中学時代、成績はいつも中の下で、部活動も、なんとなくやっていたテニス部を中退(っつーかサボリ)する始末だった俺。

しかし、日商(日向商業高校の略)では原則として一年生は強制的に部活動に参加しなければならない。

元々、運動嫌いな俺は、運動部はパス。

かと言って、文化部で男子が入れる部は演劇部、吹奏楽部、簿記部(さすがは商業高校)等と性に合わないような部活名しか見当たらない。

 ???

もらった部活動リストの最下に、気になる部活名があった。

《日商便利屋兼帰宅部》
活動場所:放送室
顧問教師:長瀬校長
部員よりコメント:無し

・・・・・・。
突っ込み所満載?

とりあえず、帰宅部と名前にあるので部活見学に行ってみた。

放送室前。
静まり返っていた。

『失礼しま〜す。部活見学した・・・・・・。』
途中で言葉が詰まった。

間違えて校長室に入ってしまったかと思った。

リッチな机に社長椅子、大きな窓にじゅうたんのしかれた床。
今通ったのを合わせて2つのドア。

他には何も無かった。

人の気配さえ無かった。

とりあえず奥のドアが気になったので進んでみた。

この奥は確か、学校見取り図では給湯室だったハズ。

っ!!??
その奥には、我が家を思わせるような部屋が待っていた。

テレビにキッチン、コタツにクーラー、そして散らかった漫画と菓子のゴミ達。

しばらく、そのまま立ち尽くしていた。
学校にこんな部屋があっていいのだろうか。

帰宅部っていうか、ここが家?

そんなこと思っていたら、

ガサッ!!

ゴミの山の中で何かが動いた。

???「ふぁ〜あ。よく寝た。って誰!!??」

ようやく人に会えた。
しかも、かなり可愛い子に☆

『えっと、松本蓮次です。部活見学しに来たんですけど・・・・・・。』

香澄「あっ、どうも。私、向井香澄です。ってマジ!? ヤバっ。早く部長呼ばなきゃ!!」

そう言うと彼女は携帯を探し出し、メールを打ち出した。

香澄「とっ取りあえず向こうの部屋で待ってて。」

そう言われ俺は放送室に戻り、待つこと数分、数人が入ってきた。

そして最後に、見るからに優等生の女性が入ってきて、
綾「私は、宮崎綾。この部の部長よ。この部ではその名の通り便利屋をやっているわ、蓮次君。」

う〜ん、面倒な事になりそうだなぁ。

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あきゅろす。
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