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短編
私だけのヒーロー※半田夢
サッカー部の半田君は、私の彼氏。
すっごくかっこいいんだけど彼はイマイチ自分に自信が持てないみたい・・・。













半「なあ名前、俺どうすれば良いんだ?」
『どうすれば良いって・・・。』

半田君は自分の髪をぐしゃっと握ってうつむいた。
屋上へと続く階段はほとんど人が来ないから
私達はよくこうやって悩みについて相談しあったりしてる。
今日の彼はいつもより深〜く悩んでるみたい。


『半田君は変わりたいの?円堂君や豪炎寺君、鬼道君みたいに?』

私がそう尋ねると彼は少しやりづらそうにこくん、と頷いた。

半「けど俺、何やっても中途半端だし、これから何をしても上手くいく気がしない・・・。」


私ははあ、と溜息を吐いた。
その私の行動に彼はひどく傷ついたような顔をした。
ばかだなあ。

『えいっ。』
半「いてっ!何すんだよ名前!」

私がデコピンすると半田君はおでこを押さえて私を見上げた。
ちょっと可愛い。

『半田君はかっこいいんだよ!』
半「はあ?」
『ほら、前の自分を思い出して!
練習しないで漫画ばかり読んでいた自分を!
まあそのころから好きだったけど!』

彼は恥ずかしそうに視線をそらした。

『それに半田君は何をやっても中途半端じゃなくて
何をやらせても上手くこなしちゃうから自分だけの持ち球が無いだけなんだよ!』
半「俺だけの・・・?」
『うん!だって私の半田君はかっこいいんだもん!
中途半端なわけないでしょっ。』


仁王立ちでそう言うと半田君はくすっと笑った。
ちょっと反則な笑顔だ。

『円堂君達は、皆のヒーローじゃんか。
私は半田君にはそんなふうになってほしくない・・・。
私だけのヒーローでいてほしいの!』
半「!」

半田君は急に立ち上がると私をぎゅっと抱きしめた。
きっと今顔が真っ赤になってる・・・!

『えっ、な、どうしたの?』
半「ありがとう、名前。
今まで悩んでたこと全部すっきりしたよ。
俺、お前だけの、その・・・ヒーローになるから・・・。」

よく見れば半田君の耳も真っ赤で・・・。
そりゃそうだよね、いつもはこんなこと言わないから。
半田君は私の肩をがっしりと掴んで私の目を真っ直ぐに見た。

半「ずっと俺のそばに、いてくれ。」

こ、これは予想外の台詞・・・!!
ん?これってもしかしてプロポーズ?
そう思うと急に体から蒸気が出るんじゃないかってくらい体が熱くなってきた。
やばい、思考がうまく働かない。

半「名前?おい、名前!」


私の意識は彼方へと遠のいた。




半「まったく・・・俺だって恥ずかしいんだからな。
でも、ありがとな。」



目覚めたとき、何故か唇が熱を持っていた。














あとがき
半田ってかっこいいの!?可愛いの!?←
口調意外と悩みました。
半田はけっこう男らしい・・・ですよね?
読んでくださりありがとうございました!

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