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アニメ沿い鬼道寄り夢小説
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守「入院してるのって・・・。」
豪「妹だ。」
守「妹・・・?」
『(さっき見えた子、かな・・。)』
豪「まったく、お前らには呆れるよ。」

そう言って豪炎寺はドアを開けた。

豪「入れよ。」
『え、あ・・失礼します。』
守「失礼します・・。」

2人はおずおずと室内へと足を踏み入れ、驚いた。
ベッドの上で寝ている少女。
その少女には機械からのばされるたくさんのチューブがつないであった。


豪「夕香っていうんだ。もうずっと眠り続けてる。」
守「『えっ・・・。』」

豪炎寺はこちらを振り向いた。

豪「話すよ。でなきゃお前ら、帰らないんだろ?
  ・・・夕香は、去年のフットボールフロンティア決勝の日からずっとこうなんだ。」
『木戸川清修と帝国の試合だったよね・・・。』

名無しはフットボールフロンティアの決勝だけはチェックしていたのでよく覚えていた。

豪「ああ、こいつ、楽しみにしてたんだ。決勝を見るの。
  必ず応援に行くって言ってな・・・。
  夕香の笑顔を見たのは、その日が最後だ。
  スタジアムに急ぐ夕香は車に・・・。」
守「『!!』」
豪「事故のことを聞いたのは、試合の直前だった。」
守「だからお前は・・・。」

豪炎寺は悲しそうに目を伏せた。

豪「病院に向かったよ・・・この病院には、親父が勤めてるんだ。
  俺が転校したのも、その都合で・・・。」

豪炎寺はゆっくりと椅子に座った。

豪「俺がサッカーをやってなきゃ、夕香はこんなことにはならなかった。
  夕香がこんなに苦しんでるのに、俺だけのうのうとサッカーをやるわけにはいかない。」
『(そうかな・・・本当にそうなのかなあ・・・?)』

名無しはその話を聞き、豪炎寺にはつらい事情があったのだと理解したが
豪炎寺の考え方には少し賛同できなかった。


豪「だから俺は、夕香が目覚めるまで・・やらないと誓った・・・!
  なのにあの時、なぜなんだろうな・・・自分でもわからないんだ・・・。
  自然に体が動いてた・・・。」

守と名無しは一瞬顔を見合わせ、豪炎寺の方を向いた。

守「つらい話、させちゃったな・・・俺ら、何も知らないでしつこく誘っちゃって・・・。」
『ごめんね・・このこと誰にも言わないから・・・。』
守「じゃあ・・。」


そう言い2人は立ち去ろうとしたが、ふいに豪炎寺が声をかけた。

豪「サッカー部、あれからどうなった?」
守「ああ、次の対戦相手が決まったんだ。」
『豪炎寺のおかげだよ!皆もやる気出してくれてるし。ありがとう!』

そして病室を出ていった。

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