平凡くんの秘密の恋
2
その次、決定打は、これだ。
初恋の人が・・・、
中学の時の、弓道部の先輩。もちろん、男の。
あ、ちなみに俺も弓道部でした。的中なんて全然できなかったくらいしょぼかったけど。
告白は、できませんでした。
先輩には彼女が居たし、俺は、先輩のそばにいて、仲良くしてもらうだけで十分だって思ってた。
そばに居れるだけで幸せ。それ以上の関係は望まない。
先輩の卒業式、
「お前はずっと、俺の大事な後輩だからな」
そう言って頭を撫でてくれた時、ボロボロと涙が溢れた。
「おいおい・・・俺が居なくなるのがそんなに悲しいか」
呆れて笑う先輩の優しい声、優しい手。
もう、会えない気がした。
涙は止まらない。
俺はその後の送別会もずっと先輩に縋って泣いてた。先輩も嫌がらず介抱してくれる。他の部員からは、主役を独り占めするなー!とか言われたが、それに応えられないくらい自分でも混乱してた。
先輩が好きだ。
好きで好きで、胸がはちきれそうなくらい、詰まって痛い。切ない。
こんな俺の初恋は、
先輩の優しい笑顔にそっと、胸の中で
「ずっとずっと好きでした。・・・幸せになってください」
と唱え、幕を閉じた。
素直に好きだって言えてたら、何か変わったのか。
それは今となっちゃ分からない。
ただ、先輩を好きになれたおかげで、自分が男にしか興味が無いと気付かされた。
今ではいい思い出だ。
たぶん。
未練は無い。
そしてもう一つ、俺が一般ピーポーと言えない理由。
それは・・・、
彼氏が居ることです。
それはもう、ぶっ飛ぶような、かっこ良さですよ。
いやマジで。
なんなら続きを見てってよ。
なんたって今日は、その彼氏が居る学園へ編入する日、なんだから。
since09.05.20
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