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平凡くんの秘密の恋




「何かあったかー?」

風呂からあがったスウェット姿の健太郎。頭にタオルかぶってわしゃわしゃしてる。

その時俺は、切れた電話を見つめながらベッドにごろごろしていた。ちなみにダンボールは夕飯前に片付けた。割れ物注意の箱はまだだけど。
うん。切れた電話を見つめるなんて、我ながら乙女だとは思う。

今まで雄也と話してた所為で頬が緩みっぱなし。

恋人が居るという優越感も手伝って、

「恋人からー」

と、ニンマリ締まりの無い顔で笑ってしまった。

健太郎はぱちぱち目を瞬かせる。間抜け面。

「は?お前、ジロー?」

「んな!失礼な!」

「だって平凡っつーか、気持ち悪――・・・ゴフッ!」

前見た不良ドラマの再現をしてみた。鳩尾にパンチ一発!
見よう見まねで出来るもんだなー。

「て、てめっガフッゴホッ、殺す、きか!」

「健太郎が変なこと言うからさー」

「冗談だろ!」

「ごめんごめん」

そこまで怒る必要なんか無いのに。
謝ったら許してくれたのか俺のベッドに上がってきた。ちなみに風呂は健太郎の前にいただきました。だからジャージ姿です。黒に水色の線が入ったジャージで、上も同じやつ。春先だから寒いんだよ。

「良いなぁ恋人」

「でも男だよ?」

「それは微妙だけどさ、幸せそうじゃん」

「まーね。自慢の彼氏だから」

雄也にベタ惚れだから。雄也はウザがってるかもしれねえけど。

言ったら健太郎が首にまとわりついてきた。

「んもーけんちゃん妬けちゃうー」

「ははっ、妬け妬けー」


こーんな風にだらだらしながら、いつの間にか寝てしまっていた。

俺のベッドで重なりながら。






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