平凡くんの秘密の恋
変態会長見参
俺の名は来須雄也(クルス ユウヤ)。
この学園の生徒会長だ。
クラスは2−A。
親衛隊の規模は学園一デカい。
親はグループ会社の社長。
世間一般に見れば、俺のことを裕福で見た目も悪くないわ生徒会長だわで何不自由なく暮らして羨ましいと思うかもしれない。
だがこんな俺にも足りない物はたくさんある。それを気付かせてくれたのは、最愛の恋人、結城次郎だ。
次郎との出会いを語るにはまだ早え。
それは追々ってことにして、今は生徒会室に居る。
もう1人居るが、こいつは四宮泉水(シノミヤ イズミ)だ。
「雄也」
女にも見えなくはない綺麗な顔立ちで、自分でもその自覚はあるのかそれ使って男おとすこともしょっちゅう。
「あーん?」
「最近週末に近づくにつれてイライラしてるよね」
「・・・るせえよ」
「恋人できたんでしょ?セフレがこっちに回ってきて鬱陶しいんだけど。親衛隊の隊長だけ残して後は切り捨てってヒドくない?」
「るせえ!じゃあ恋人が居る俺にセフレ抱けっつーのかよ!」
「違うよ。切るならちゃんと隊長も切れってこと。そこまで雄也がハマってる恋人って凄いと思うし」
何だかんだ付き合いが長い泉水にはバレてしまう。俺の細かい心情の変化。
次郎には週末会うからいつも欲が溜まる。俺はヒトより性欲が強いし独占欲も半端ねえ。だが次郎を無理させるわけにもいかず、仕方なく親衛隊の隊長だけは残してる状態だ。
「その恋人って女?男?」
「・・・お――」
「そこで黙るってことは男みたいだね」
「・・・悪いか」
「いや。雄也をそこまで夢中にさせるなんて、どんな可愛い子なんだろうって思ってさ」
よく分かってるじゃねえか。
そう。俺が誰かに夢中になるなんて、以前じゃ有り得なかった。考えられなかった。でも、次郎に出会って間違いだと気付いた。
今日は火曜日。まだ先は長い。
早く会いたい。
『雄也!』
『次郎・・・』
『凄く会いたかったよ雄也っ。・・・もう、我慢出来ないっ』
『ば、ばか!ここ人前だぞ』
『ね、雄也ぁ。俺のこと嫌いなのか?飽きた?』
『違う!』
『良かったぁ。ね、雄也とだったら俺、見られてても全然良い』
『・・・次郎、よく考えろ。こんなところでシたら、皆に次郎の可愛い顔見せちまうだろ?』
『ゆ、雄也・・・っ』
『本当に可愛いヤツ。今すぐ食べてやりてえ』
『あっ、やっ、』
――バシッ
「変態。何考えたらそんなヤらしい顔になるのか知りたいわ」
「・・・痛え」
ついついやっちまった・・・妄想癖あるんだよな、俺。
「そんなに悶々して機嫌悪いんだったらさ、電話したら良いのに」
「・・・電話?」
「そうだよ。雄也は、週に一回会えるだけで、満足?」
「いや、違う。全然足りねえ」
「じゃあ電話しちゃえ」
いやでも、今日の朝電話あったんだよな・・・あまりに嬉しすぎてふざけたらブチられたっていう。
・・・かけるか。
「電話する」
「ふふっ。頑張って」
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