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平凡くんの秘密の恋




「あれ、知らねえの?」

「うん。すぐ出てきたからあんまり説明してもらってない」

「そっかそっか。クラスはABCDの4つあんだ。俺らはDね」

健太郎は指折り身振り手振りを交えながら教えてくれた。

「まずAは、親衛隊が居るような顔良い人たち」

え、そういう分類!?

「Bは親衛隊に入ってる顔良い人で、Cは親衛隊。で、Dは外野と、顔良い人たち」

「いやちょっと!最後の顔良い人たちって何!?」

「人数の関係でさ。親衛隊が嫌いな人って親衛隊と同じクラスになりたいとは思わねえだろ?ま、そゆこと」

なるほど・・・
つまり自分のクラスの人間以外には近付くなってことですか。

「親衛隊とか信じられねーよなー。男相手にあんな騒いでさ」

「いや現物は見たことないけど・・・」

「ふーん?そうなんだ。食堂行ったら嫌でも分かるぜ。あ、お前って外部から来たんだろ?」

何故か目を輝かせてソファに移ってきた健太郎。
な、何か?

「じゃあさ!彼女、居んの!?」

・・・意気込んで何を聞くかと思えば。
隠すつもりも無えし。言うか。

言ったらどんな反応を見せるんだろう。

「彼女は居ない。でも・・・彼氏は、いる」

言った瞬間の健太郎ときたら。文字通り間抜けにぽっかーんと口を開いた。

「俺、ホモだから。嫌なら一緒に居なくて良いよ」

無理に一緒に居てもらう気はない。あ、でもカードキーが出来るまでは一緒に居てほしい・・・かも。
なんて思いながら、反応が無い健太郎を尻目にダンボールを片付け始めた。デカいのが4箱だけだからすぐ終わりそうだ。そのうち1つはアレしか入ってねえし。

「結城・・・」

「んー?」

割れ物注意のダンボールから開こうと、返事だけしてガムテを破る。

「ジローっ!」

「うぉっ!!」

バカちんがぁぁぁ!!
割れ物注意の貼り紙が見えねえのか!!

「お前って男らしいのな!ほんでもって可愛い!んな寂しいこと言うなよー」

「気持ち悪りい!つか今大事な作業してんだよ!」

「んなもん知るか!ジローと交流を深めるー」

「・・・健太郎って、ホモ?」

「いんや」

「だろうねー」

もしこれでホモだったら全力で拒否るけど(雄也一筋!)、違うならじゃれても良いかなー。

首に回されて、頬を擦り寄せてきた健太郎に首を回した。間近で目が合い、ん?って顔で見られる。

ひっひっ。仕返し。

「やだもー健太郎ったら、ジロー困っちゃうー」

「・・・いっつも彼氏にこんなことしてんの?」

「いんや」

人差し指で鼻をちょんと触ったから、こっちから見たら真顔が間抜けな顔に見える。

「ふーん・・・彼氏って、同い?」

「うん」

「どこの学校?」

「ここ」

「かっこいい?」

「飛び抜けて」

「うっそだー」

「嘘付くか!」

「ふーん・・・」

またふーんって言った健太郎は、何故かそのまま離れてダンボールの整理を手伝い始めた。

健太郎はふーん星人に進化した。




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あきゅろす。
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