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平凡くんの秘密の恋
始まる日常



ミフネが部屋に移ってきた日から、俺たちは行動を共にするようになった。
どこに行くでも必ず均等を置いて俺の後をついてくる。その噂は一気に学内へと駆け巡った。

「ミフネって、もしかしなくても有名人?」

「・・・・・・・不本意ながらな」

と、苦々しげに言ったミフネの顔がリフレインする。

ミフネと一緒に登校した初日も、騒がれはしなかったものの、周りの反応はあった。「ついに見つけたのか」「さすが修二さんの」と、囁きで騒然となった教室。意味がわからずミフネを見上げると、くしゃっと全体的に皺が寄った顔が、怒りを堪えてますって感じで。怒り出さなかったのは意外だった。今思えば俺に気を使ってくれたのかもしれない。ミフネとの付き合いが浅い俺に、ミフネの怒れる行動は恐怖としか映らないだろうから。
それから朝礼を迎え、ウッチーの名簿読みが始まる。俺はミフネの番が回ってくるのをドキドキしながら待った。未だ「ミフネ」が姓名どちらなのか、はたまた別物なのかを知らないからだ。本人に直接聞こうにも、うまくはぐらかされて聞けずじまい。だるそうなウッチーの声がミフネと呼んだ。ミフネが短く「はい」と定型通り返事をする。
あれ、何だそれだけ?俺の渾身の疑問の行方は何処へ・・・・・・。
と思ってミフネを見ると、バチッと絡む視線。結局目で殺されました。
昼休み。健太郎と津永とミフネで囲む食堂のテーブル。俺の隣にはもちろんミフネで、目の前には健太郎だった。健太郎=ミフネが好きな人という図式ができあがっていた俺は、ミフネに「いいのか」と目で聞く。でも返答がある間もなく逸らされてしまった。よくよく考えたら俺って、ミフネの恋路を邪魔してるよな。津永はミフネが俺にするように健太郎にべったりだし。トイレとかも、ちゃんと入口のところで待っててくれるから隙が無い。
おかげでこの3週間、一切南校との絡みが無かった。

そして、最近になってよく耳にするようになった単語がある。それは・・・・・・


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あきゅろす。
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