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平凡くんの秘密の恋




「な、なぁ・・・ミツ。俺今猛烈に後悔してんだけど」

「っ、・・・嘘だ、そんな!そんなの信じたくない!」

「ミツ・・・」

今までおとなしかったミツが急に泣きそうな声で頭を抱えた。この辺はさすがに年下か。

「俺が一緒に、居たら、先輩に迷惑かける、なんて・・・っ」

「まぁ酷な事だがな」

失礼な人は、あくまで真剣な表情を崩さない。本気で心配してくれてんだ。

「俺はそうやって退学していく生徒を山ほど見てきた。・・・気い付けろよ。生徒会には近付くんじゃねえぞ」

「はい」

「・・・先輩」

「ミツ、バレねえようにだったら部屋でなら会うから。それで許せよ」

「っ、うん」

ぎゅぅぅって抱きついてきた。可愛いやつ。俺の大好きなミツわんちゃん(大型犬)。

「はぁ・・・かなり気に入られてんじゃねえか」

「ははっ、羨ましいですか?」

「うるせえよ。もう話先に進めるぞ」

「どうぞどうぞ」

抱きつかれたままで良いや。

「これ、奨学金制度生のカードキー」

差し出されたカードは一つだけ。

ん?手帳の色からして、ミツのやつが青だろ。俺の手帳と同じ赤色は・・・?

「悪い。手配し違えてお前だけ注文すんの遅れた」


おぃぃぃぃ!!!


「どうするんですか!だってカードキーなんでしょ!?」

「まぁ落ち着け。平凡の運命だ」

どんな運命だ!

「明日か明後日には届くらしい。ケイタイ貸せ」

「ん?うん・・・」

最近買い換えた使い慣れてない携帯電話を手渡す。黒いふたとダークレッドの本体だ。

「これで良いな」

赤外線でお互いに登録したらしい。でも俺の方には2つ新しいのが入っていた。

「寮の管理は2人の交代制だ。カードキーがいつ出来るか分からねえから、もしかしたら米田(ヨネダ)から連絡くるかもしれねえし」

「だからって何で・・・ここって内線とか無いんですか?」

「おっ、良い質問だ平凡」

だから失礼なんだってば。

「実は内線の通話はいちいち録音される。だからダメだ」

嫌な予感がした。

「・・・それってまさか、俺のカードキーの注文が遅れたこと隠したいって言うんじゃ――」

「正解」

なんか威張られても・・・
じゃあ理事長とかお偉いさんたちはこの事知らないんだ。バレたらどうなるんだろ。ま、その辺俺にはどうでも良いけど。

「もう1人の人は米田さんっていうんですよね。あなたは?」

「嗚呼悪い。言ってなかったか。塩見明信(シオミ アキノブ)だ」

会って30分後、失礼な人はようやく自己紹介をしてくれた。

とことん失礼な人だった。





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あきゅろす。
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